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まん延防止措置で飲食店への要請再び。新型コロナ「ワクチン・検査パッケージ」最新情報まとめ

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画像素材:PIXTA

オミクロン株の感染急拡大により、現在までに36都道府県にまん延防止等重点措置が出ているが、国内の新型コロナウイルスワクチンの接種も着々と進んでいる。首相官邸の情報によれば、国内の全人口の約8割が2回目までの接種を済ませており、約1割は3回目も終えている状況だ(2月16日現在)。

そこで気になるのが、飲食店でのワクチン・検査パッケージの活用についてだ。ここでは、ワクチン・検査パッケージに関する最新の情報をお伝えする。

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「ワクチン・検査パッケージ制度」とは?

ワクチン・検査パッケージ(VTP)とは、感染が拡大し、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出された場合でも経済社会活動を止めないように、ワクチン接種や検査で陰性の証明を示すことで行動制限を緩和する制度。これにより飲食店などの事業者は、入店者のワクチン接種歴か検査結果の陰性のいずれかを確認することにより、感染拡大時でも人数制限などを受けずに営業を続けられる。この適用を受けるには、各都道府県にて行動制限緩和の適用登録を行う必要がある。

飲食店事業者が登録するメリットとしては、「2回目のワクチン接種済みであること」、もしくは「検査結果が陰性だったこと」のどちらかを確認できたお客に対しては、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置下であっても5人以上の会食受け入れが可能になるという点だろう。

「ワクチン・検査パッケージ制度」の適用情報(2月16日現在)

現在流行しているオミクロン株には、潜伏期間が短く、感染拡大のスピードが極めて速い特徴がある。そのため、政府は、新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を変更し、「ワクチン・検査パッケージ」を当面は適用しないとした。ただし、知事の判断で、制度の適用は可能だ。

■まん延防止等重点措置下で「ワクチン・検査パッケージ制度」を導入しているのは埼玉県のみ
埼玉県の飲食店では、原則午後8時までの営業時間短縮、酒類提供の自粛、同一テーブルでの飲食4人以内が要請されているが、パッケージの適用店は対象外。午後8時半までの酒類提供と午後9時までの営業を認め、人数制限もない。客は店頭で「2回目のワクチン接種済みであること」、もしくは「検査結果が陰性だったこと」の提示が求められる。グループの場合は全員が提示する。

■各地で「対象者全員に対する検査」を条件にした行動制限緩和も
「ワクチン・検査パッケージ」は適用されないものの、「対象者全員に対する検査」を条件にした行動制限の緩和は継続されている。「対象者全員検査」とは検査機関等が発行する結果通知書により、利用者全員の検査結果が陰性であることを確認するもの。PCR検査以外に抗原定性検査も利用可能だ。多くの場合、PCR検査は検体採取日より3日以内、抗原定性検査は検査日より1日以内の検査結果が有効。自治体によっては当日の検体採取に限っている。

東京都、大阪府、京都府、兵庫県などでは、認証店について全員検査で陰性が確認された場合は同一テーブル5人以上での会食が可能。神奈川県、千葉県などでは、結婚披露宴会場などの利用に適用している。

■東京
・「徹底点検 TOKYOサポート」プロジェクトにおける「感染防止徹底点検済証」の交付を受け、かつ、これを店頭に掲示している店舗
以下の(1)もしくは(2)の選択が可能。
(1)午前5時から午後9時までの時短要請・酒類提供可(午前11時~午後8時)
(2)午前5時から午後8時までの時短要請・酒類提供停止

・非認証店
午後8時までの時短・酒類提供の停止を要請
・同一グループの同一テーブルへの案内は4人以内。
・認証店において対象者全員検査で陰性が確認された場合は5人以上での会食も可能。

なお、「対象者全員検査」を実施している飲食店ではピンク色の「対象者全員検実施店」ステッカーを掲示。

■千葉
・「千葉県飲食店感染防止対策認証事業認証店」及び「千葉県飲食店感染防止基本対策確認店」は午前5時から午後9時までの営業時間短縮
・認証店以外は午前5時から午後8時までの営業時間短縮、酒類提供停止
・同一グループの同一テーブルへの案内は4人以内。ただし、乳幼児、介助者等やむを得ない場合を除く。
なお、飲食店は店舗入口及び店内に、「同一グループ・同一テーブル4人以内」である旨を掲示する。
・「千葉県飲食店感染防止対策認証事業認証店」又は「千葉県飲食店感染防止基本対策確認店」に限り、結婚披露宴を行う場合はおいて、対象者全員検査で陰性が確認された場合は同一テーブル5人以上でも可。(県への申し出制)

■神奈川
・マスク飲食実施店認証店
以下の(1)もしくは(2)の選択が可能。
(1)午前5時から午後9時までの時短要請・酒類提供可(午前11時~午後8時30分)
(2)午前5時から午後8時までの時短要請・酒類提供停止

・非認証店
午前5時から午後8時までの時短要請・酒類提供停止
・1テーブルは4人以内。5人以上のグループが飲食店を利用する場合、1テーブル4人以内となるよう別々のテーブルに案内する。

「マスク飲食実施店」認証店である披露宴会場など(慶弔行事に使用する場合)は、「対象者全員検査」・「ワクチン・検査パッケージ」に登録し、対象者全員検査を当日中に行った場合は、人数制限の対象外となる。

■大阪
・ゴールドステッカー認証店舗
以下の(1)もしくは(2)の選択が可能。
(1)午前5時から午後9時までの時短要請・酒類提供可(午前11時~午後8時30分)
(2)午前5時から午後8時までの時短要請・酒類提供停止
・ゴールドステッカー認証店舗では1テーブルは4人以内。5人以上のグループが飲食店を利用する場合、1テーブル4人以内となるよう別々のテーブルに案内する。

・非認証店
午前5時から午後8時までの時短要請・酒類提供停止
・非認証店では1テーブルは4人以内。5人以上の入店は控える。
・ゴールドステッカー認証店舗に限り、対象者全員検査で人数制限の対象外となる。(府への申し出制)

感染状況は鈍化の傾向が見られはじめているが、依然として新規感染者数は非常に多い。今後も感染状況によって各地の対応は変わっていくだろう。飲食店事業者は引き続き、最新の情報を確認するよう努めてほしい。

※※※※※ 以下は、2021年12月27日時点での情報 ※※※※※

PCR検査や抗原検査の無料事業もスタート

そんな中政府は、ワクチン・検査パッケージを推進する一環として、PCR検査や抗原検査を無料にする方針を固めた。検査の対象になるのは、発熱等の症状がなく、以下の条件を満たす人。

(1)基礎疾患、副反応の懸念など健康上の理由によりワクチン接種を受けられない人
(2)12歳未満の子ども

現在、各自治体は無料検査場の設置をすすめており、ワクチン・検査パッケージを適用する登録事業者を募集している。

■オミクロン株の感染が広がる地域では、希望者全員を無料検査対象に
また12月23日には、オミクロン株の感染が広がる都道府県で無料検査の対象を拡充し、希望者全員が無料でPCR検査や抗原検査を受けられるようにすると表明。感染経路不明の市中感染が確認された大阪府や京都府、米軍基地で感染者が確認された沖縄県で適用する。

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国は飲食店における人数制限を解除。東京、大阪では来年1月まで継続

今後、緊急事態宣言やまん延防止措置が適用された場合、政府が明示している飲食店への緩和策は以下の通り。

■時短営業とアルコールの提供について
・緊急事態措置区域における第三者認証店
酒類の提供は認めるが、営業時間は21時まで。

・重点措置地域における第三者認証店
酒類の提供は認める。21時までの営業時間の短縮を求められるケースもある(場合によっては特段の時間制限を設けず営業可能)。

・上記以外の区域における第三者認証店
感染拡大の傾向がみられる場合でも、酒類の提供を認める。特段の時間制限を設けず営業することも可能。

■人数制限について
・その他区域においては、要請を行わない。感染拡大の傾向が見られる場合には、都道府県知事の判断により、同一グループの同一テーブルでの5人以上の会食を避けること。

・緊急事態措置区域及び重点措置地域においては、引き続き、同一グループの同一テーブルでの5人以上の会食を避けること。第三者認証店においては、ワクチン・検査パッケージ制度を適用する場合、人数制限は行わない。

内閣官房のホームページ「行動制限緩和の具体的な内容」より「飲食について」

■東京都、1月16日までは「同一グループの同一テーブルへの案内を8人以内」に
東京都では、年末年始の会食等の場面における感染リスク低減のため、基本的対策徹底期間においては、以下の対応への協力を求めている。

・「徹底点検 TOKYOサポート」プロジェクトにおける「感染防止徹底点検済証」の交付を受け、かつ、これを店頭に掲示している店舗
期間:令和3年12月1日(水)0時から令和4年1月16日(日)24時まで
人数:同一グループの同一テーブルへの入店案内を8人以内とするよう協力を依頼。9人以上とする場合には、TOKYOワクション又は他の接種証明書等を活用することを推奨。

・上記点検済証の交付を受けていない又は掲示していない店舗
同一グループの同一テーブルへの入店案内を4人以内とし、酒類の提供・持込は、11時から21時までの間とするよう協力を依頼。
▼【12月1日から】基本的対策徹底期間における対応(東京都:令和3年11月25日発表)

■大阪府、「同一テーブル4人以内」は1月も継続
大阪府はオミクロン株への対応として、12月末までとしていた人数制限などの要請を来月1月まで継続すると決定した。要請内容は以下の通り。

・ゴールドステッカー認証店舗
同一テーブル4人以内※(5人以上のグループの場合、テーブルを2つ以上に分けること)

・その他の店舗
同一グループ・同一テーブル4人以内※(5人以上の入店案内は控えること)

・全ての飲食店等への要請
利用者に対し、2時間程度以内での利用、マスク会食の徹底を求めること。カラオケ設備を利用する場合は、利用者の密を避ける、換気の確保等、感染対策を徹底すること
▼令和3年12月1日から12月23日までの要請について(大阪府:令和3年12月23日)

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ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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