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“顔の見える”投稿で来店促進。『ハチカフェ阿佐ヶ谷店』のインスタグラム集客術

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あえて話のテーマを設けないことで、各フォロワーからもっとも伝えたいメッセージが寄せられるという

ストーリーズで「お話しましょ」と呼びかけ。お客から次々に届く生の声

1年ほど前から始めた、ストーリーズでの“お話”も好評だ。定休日前日の月曜の夜、同店のインスタグラムのストーリーズに流れてくるのは、アンケート機能を活用した「お話しましょ」というメッセージ。するとフォロワーからは「桃のタルト美味しかったです!」「来週行きます!楽しみです!」など、次から次へと率直な声が寄せられる。

「始めたきっかけは、自分自身が商品開発や方向性に少し行き詰まっていた時に『お客様の声が聞きたい』と思ったことでした。どうすれば生の声が聞けるだろうと考えて、『インスタでいいじゃん』って。回答には字数制限があるので一番伝えたいことを端的に返していただけてとても参考になりますし、直接話すのが苦手な方からもご意見をもらえるのは本当に嬉しいですね」

“お話”で届く商品の反響と実際の店舗での売れ筋は比例するため、季節感を大切にしている商品づくりにも大いに活かせているという。

また、思わぬ発見もあったと安藤さんは話す。それは、都内在住の他地域出身者が密かに抱えていた「誰かとつながりたい」という心の声に触れられたことだ。ふと誰かと話したいと思った時に、気兼ねなく誘える友人や立ち寄れる店の存在の貴重さは、彼女自身も上京してきた身として感じていたこと。「寂しい時も嬉しい時も、人恋しくなったらここに来ればいい」。上京してきた人々にとってハチカフェ阿佐ヶ谷店がそんな存在になるためにも、店舗でのサービスと合わせて、SNSでの会話も大切にしていると話してくれた。

旬の果物を使用したものを軸に15〜20種のタルトを揃えるため、客の声は大きな情報源

【注目記事】インスタのフォロワー9,000人超! 『ソラノイロ』宮崎氏に聞く「SNS集客の秘訣」

思えばSNSがない頃は、客とは店舗で接するのみだった。しかし今は距離や時間を問わず、容易にコミュニケーションを取ることができる時代。SNSをフル活用すれば「店で会わなくても、伝えたいことが伝えられ、聞きたいことが聞ける」というのが安藤さんの考えだ。

「うちは飲食店という姿ではありますが、『こんなのこともやるの?』と、街の人やわざわざ来てくださるお客様にワクワクしてもらえることを、もっと手がけていきたいと思っています。それに参加してもらうためにもまずは、お客様にとって身近な存在になれることが何より大切です。うちの店を通じて、お客様同士の横のつながりが生まれる場にもしていきたいですね」

日中は来店できない客が仕事帰りに立ち寄れるようにと夜カフェを始めたり、ヨガ講師をしている客と朝ヨガのイベントをしたりと、ハチカフェ阿佐ヶ谷店は徐々にコミュニティスペースとしての活動を広げている。リアルとSNSの両面から客と密に会話を続けてきたからこそ、着実に前に進んでいけるのだろう。

ぜひ一度、月曜の夜の“お話”に参加してみてはいかがだろう。「離れているのに、近い存在」、その意味が確かに感じられるはずだ。

『ハチカフェ阿佐ヶ谷店』
住所/東京都杉並区阿佐谷南2-40-1 alːku阿佐ヶ谷内
電話番号/03-5327-8398
営業時間/10:00〜18:00
定休日/火曜
席数/約20
https://www.instagram.com/hachicafe8asagaya/

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RIN

ライター: RIN

カフェライター・エディター。街の小さな一軒からトレンドカフェ、昔ながらの喫茶店まで、カフェという場を通じて幸せを提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。ライフワークは"スコーンの人"(IG:@rin_125)。