予約困難な飲食店の「席予約権」をオークションで販売。新サービス「食オク」が話題

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株式会社食オク(東京都品川区)は9月1日、「超予約困難店」とされる飲食店の席予約の権利をオークション形式で販売するサービス、「食オク」のプレスリリースを配信。すでに会員募集がスタートしており、9月中にはオークションを開始するとしている。
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「予約する権利」をオークションで販売するという、新たなビジネスモデル
数か月先でも予約が取れない「超予約困難店」。その席予約の権利をオークションで販売するという、これまでにないサービスがスタートする。オークションで販売されるのはあくまでも「席を予約する権利のみ」であり、その料金に飲食代は含まれない。
8月のサイトリリース時点で参画している「超予約困難店」は以下の9店。
・鮨さいとう(東京都港区)
・鮨しゅんじ(東京都港区)
・CHIUne(東京都港区)
・たきや(東京都港区)
・aca(東京都中央区)
・グルマンディーズ(東京都港区)
・晴山(東京都港区)
・斎華(京都府京都市)
・京天神野口(京都府京都市)
これらはいずれも数か月先まで予約が取りづらい店舗だ。参画店舗数は順次増やしていくという。
食オク社は、飲食店が席の予約権販売により新たな収入の途を得ることについて、「売上の頭打ちを解消し、(食材高騰などによる)原価率の上昇を抑えることができる」とし、「飲食店従事者の平均年収を底上げする可能性もある」と述べている。
さらに、売上の一部は新設された一般社団法人「Thanks for the food」に寄付するとしており、日本の食文化・食産業の発展に貢献する姿勢だ。

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サイトリリース直後から、ネット上では賛否の声が
その斬新な新規性から、多くのメディアで取り上げられ話題になっている「食オク」。現在、インターネット上では様々な賛否の声が聞かれている。
■肯定派からは「誰でも予約をとれる可能性がある」、「間口が広くなった」との声
肯定派は、これまで「紹介制」や「日時限定」でしか入店・予約できなかった店舗でも、席を確保できる可能性が出てきたことを高く評価している。ネット上でも「お金で席が買えるのは嬉しい」、「記念日に利用したい」など、期待を寄せる様子がうかがえる。
■「お金のある人しか行けない」、「不当に値が吊り上げられるのでは」との意見も
一方で、否定的な意見も見られる。「店側が予約枠を調整することで、意図的に値段を吊り上げる可能性もあるのでは」という声のほか、「転売行為を助長している」という見方も多い。
これに対して食オク社は、「席をオークションにかけるのは店側であり、食オクはあくまでも予約の権利を提供するだけのサービス。転売行為にはあたらない」と説明している。
前例がないだけに、「席の予約権」にかかる料金の相場は何が基準になるのかがわからず、現状では不明瞭な部分も多い。とはいえ、飲食店の予約権をマネタイズするという発想自体は画期的だ。賛否はあるにせよ、飲食店のビジネスモデルに新しい価値観をもたらすことは間違いない。
