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「ミシュランガイド東京2023」発表会レポート。三つ星『神楽坂 石かわ』石川秀樹氏は個人賞も!

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三つ星を獲得したシェフたち

2022年11月15日、『ミシュランガイド東京2023』掲載店発表会が開催された。コロナ禍により専用Webサイトでのオンライン開催が続いていたが、今年は3年ぶりの対面開催となり、盛大に執り行われた。

世界で最も多くの星が輝く美食都市・東京

1900年から120年以上にわたり世界中で親しまれてきたミシュランガイドは、現在、世界32カ国で展開。2007年にはアジア初となる『ミシュランガイド東京』が発行、以来16回目となる『ミシュランガイド東京2023』では、世界で最も多い200の星が輝き、価格以上の満足感が得られる料理に与えられる「ビブグルマン」と合わせて計422軒が掲載された。

掲載店発表会会場に展示された各種『ミシュランガイド』

また、『ミシュランガイド東京』は今回の2023年版より日・英併記に。「ミシュランガイド公式ウェブサイト」では最新情報を公開しているほか、世界のミシュランガイドセレクションや掲載店シェフのインタビュー記事などが閲覧できる。

三つ星は変わらず12軒、『神楽坂 石かわ』石川秀樹氏がメンターシェフアワードに

『ミシュランガイド東京2023』には、32種類の料理カテゴリーから422軒が掲載。三つ星は2022年版と変わらず12軒。二つ星は39軒で、うち新たに仲間入りしたのが2軒。一つ星は149軒で、うち新規掲載店が16軒。ビブグルマンは222件で、うち新規掲載店が38軒。またこのうち、一昨年からの新たな指標であるミシュラングリーンスター(食の持続可能性に特に熱心に取り組む飲食店やレストランに与えられる)に12軒が選ばれた。

「そのために旅行する価値のある卓越した料理」に与えられる三つ星を獲得した店舗は以下の通り。

■三つ星評価を受けた12軒
『カンテサンス』(フランス料理)
『まき村』(日本料理)
『神楽坂 石かわ』(日本料理)
『虎白』(日本料理)
『鮨 よしたけ』(寿司)
『ロオジエ』(フランス料理)
『龍吟』(日本料理)
『麻布 かどわき』(日本料理)
『かんだ』(日本料理)
『茶禅華』(中国料理)
『レフェルヴェソンス』(フランス料理)
『ジョエル・ロブション』(フランス料理)

16年連続の三つ星に輝いた『かんだ』神田裕行氏

このうち、『カンテサンス』『かんだ』『ジョエル・ロブション』の3軒は2008年版以来16年連続の三つ星掲載。『かんだ』神田裕行氏はスピーチで、「一年を通じて調理場に立ち、一年に一度このような晴れの舞台に呼んでいただけることに感謝している。生産者の皆さん、料理業界に従事されている皆さんのおかげで、こんなにたくさんの東京の飲食店・レストランが星をいただいている。今後も真摯にそのことを思い、調理場に立ち続けたい」と語った。

メンターシェフアワードを受賞した『神楽坂 石かわ』石川秀樹氏(右)

また、三つ星店の中でも『神楽坂 石かわ』石川秀樹氏は個人賞であるメンターシェフアワードも受賞。自身の仕事やキャリアが手本となるシェフであり、後進の育成にも力を注ぎ、指導者として熱意を持って助言し、レストラン業界の発展にも貢献していると評価された。受賞を受けて石川氏は、「忍耐強く、共に働いてくれているスタッフ一人ひとりのおかげで自分も成長できた。これからも社会に貢献できるよう皆で励んでいきたい」とコメントした。

『明寂』(日本料理)が新規掲載で二つ星に

新規掲載で二つ星に輝いた『明寂』中村英利氏(中央)

「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」に与えられる二つ星の掲載は39軒。そのうち『セザン』(フランス料理)は一つ星から評価を上げての掲載となり、2022年4月にオープンした『明寂』(日本料理)は新規掲載で二つ星に輝いた。『明寂』は「調和・淡・清らか」を心がけ、食材そのものと日本の水の豊さを料理で表現していること、食材の持続性を考え希少な食材を使わない挑戦を行っていることなどが評価された。

また、二つ星を獲得した『傳』(日本料理)の長谷川えみ氏は、個人賞であるサービスアワードを受賞。おもてなしに優れ、接客がプロフェッショナルかつ魅力的であることが評価された。

サービスアワードを受賞した『傅』の長谷川えみ氏(右)

「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理」に与えられる一つ星の掲載は149軒で、うち39軒が新規掲載。コロナ禍の最中にオープンしたカウンターフレンチ『アマラントス』や、『神楽坂 石かわ』出身の料理人による『愚直に』『寅黒』(いずれも日本料理)などが名を連ねた。

「価格以上の満足感が得られる料理」に与えられるビブグルマンは222軒で、うち38軒が新規掲載店。好みの握りを一貫ずつ注文できる立ち食い寿司『立喰鮨となり』や、フランス料理に日本の定食を取り入れた『モノビス』、鶏・豚・海老・貝それぞれのだしをブレンドしタレを合わせたスープを使うなど細かな工夫が光るラーメン店『入鹿TOKYO』をはじめ、個性豊かな顔ぶれとなった。

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河崎志乃

ライター: 河崎志乃

デザイン事務所で企業広告の企画・編集などを行なった後、2016年よりフリーランスライター、コピーライター、フードコーディネーター。大手出版社刊行女性誌、飲食専門誌・WEBサイト、サステナブル・シーフード情報WEBサイト、医療従事者向け会員制WEBサイトなど、あらゆる媒体で各業界のトップランナーへの取材・執筆を行う。