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コロナに火事、2つの危機と戦った『スナック夜間飛行』。“不死身の女”ギャランティーク和恵さん

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火事をきっかけにあらためて店舗への愛着が湧いたのだという

不死身の女ですね

コロナの後に火事も経験し、ギャランティーク和恵さんの心境にも変化があった。焼け残った店舗を見て、あらためて店舗への愛着が湧いたのだという。一度は全焼を覚悟しながら奇跡的に残った店舗を見た時に「そこで、より店舗を愛する気持ちが強くなりました。ここで育むものをしっかりと育みたいと思っています。火事を経験して気持ちの変化は確実に生まれました」と説明する。オンライン配信という新しいビジネスを見つけながらも、本来の実店舗に再びスタンスを戻すのは、危機が去ったからというより、新たに実店舗の大事さを感じたからと言ってもいい。

2007年に店舗を引き継いでから、コロナ、火事と続いた激動の時代を経験した今、この先の『夜間飛行』はどうなっていくのか。

「2022年まで不思議な3年間でしたが、もう何も起きてほしくありません。2023年からの『夜間飛行』は何も変えることはありません。この少ない席(全9席)の中でサービスして、楽しんでもらう人には楽しんでいただきたいと思います」とアフターコロナを見据える。『夜間飛行』がたどった激動の3年を考えれば、火災の前、コロナの前から何も変化がないこと、そこへ新たな気持ちで戻っていけること自体が奇跡と言っていいのかもしれない。

打たれても踏まれても起き上がる、外見からは想像もつかない強さ。店舗が生き続けるのは、相応の理由がある。2度の危機を乗り越えようとしているギャランティーク和恵さんに「不死身の女ですね」と言うと、「そうですね」と静かに笑みを浮かべた。

ギャランティーク和恵
福岡県生まれ、年齢非公表。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科でグラフィックや映像を学ぶ。5年間在籍した後に中退。在学中に歌手活動を開始し2002年にデビュー。2005年に星屑スキャットとしての活動も開始した。2007年9月に老舗のスナック『桂(けい)』から店舗を受け継ぎ、経営者として『夜間飛行』としてオープンさせた。

『夜間飛行』
住所/東京都新宿区歌舞伎町1-1-9 G2通り2F
カウンターだけの9席の小さなスナック、バー。昔ながらのスナックをテーマに、リアルとオンラインの集いの場を提供している。昭和のテイストを残す店内にはファンは多く、また、オーナーのパーソナリティに関係なく年齢・セクシャリティ・職業問わず集っている。

『喫茶まちぶせ』
住所/東京都新宿区市谷柳町29 麹屋ビル1F
都営地下鉄大江戸線・牛込柳町から徒歩1分。歌謡曲のレコードを主にLP(ロングプレー、大型のレコード盤)で流す、昔ながらの喫茶店をテーマに2022年7月オープン。ソフトドリンクに軽食、アルコール飲料も提供している。
https://www.kissamachibuse.com

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サクラギミオ 神奈川県 アジア料理 10店舗以内
読んでとても好きです。
2023年03月04日 19時24分44秒
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松田 隆

ライター: 松田 隆

青山学院大学大学院法務研究科卒業。ジャーナリスト。スポーツ新聞社に29年余在籍後にフリーランスに。「GPS捜査に関する最高裁大法廷判決の影響」、「台東区のハラール認証取得支援と政教分離問題」等(弁護士ドットコム)のほか、月刊『Voice』(PHP研究所)など雑誌媒体でも執筆。ニュース&オピニオンサイト「令和電子瓦版」を主宰:https://reiwa-kawaraban.com/