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名店『クリスチアノ』佐藤幸二氏が“スピンオフ”でもんじゃ焼き『さとう』をやる理由

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もんじゃメニューはバラエティー豊かで遊び心にあふれている

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“遊び心”を大切にしつつ、土台はオーソドックスに

このように、世界の料理ともんじゃ焼きを組み合わせる理由はなんだろうか。

「遊び心が大きいんですよ。もともともんじゃ焼きって遊びの要素が大きいものですし、面白いメニューがいっぱいあったほうが楽しいじゃないですか。この店で最初に作ったメニューは『しらとりもんじゃ』っていう名前なんですけど、それも“『白鳥(しらとり)』って名前がカッコいいから料理名にしたい!”というネーミングから先行して、白子と鶏肉を入れようと決めましたから(笑)。

もんじゃと世界の料理を組み合わせるようになったのは、お客さんの声からです。鉄板を使うもんじゃ焼きは調理もしやすいし、高温で香りも出しやすいので色々と冒険ができるんです。あとはもんじゃ焼きって作りがシンプルなだけに単調になりがちなので、そこを避けたいという思いもあります」

遊びの要素を大切にしつつ、土台はオーソドックスにしている。

「とはいえ突拍子もないことをやりすぎるのもダメだと思っているので、もんじゃの生地と天かす、干しエビ、きりいか、青のりは変えません。そして生地は化学調味料を使わず、無化調で作っています。味付けにも、色々な料理と融合させるにも、無化調のほうがやりやすいんですよね」

名店を育て上げた、店舗運営の鋭い感覚を『さとう』でも発揮している

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急激なブームよりも“長く愛される店”を目指す

開店から人気を博した同店だが、一時期もんじゃ焼きを提供しなくなったこともあるという。

「メディアに取り上げられたこともあり、開店からしばらくは一か月先の予約が埋まるほどの人気を得ることができました。ただ、そうやってブームになるとその人たちが去った後が続かないというのは別の店で経験していたので、思い切っていったんもんじゃをやめたんです。一気に盛り上がるより、少しずつ伸びていったほうが店の地力も付くはずですから」

急激に人気が出すぎないようにという考え方は、メニューにも表れている。

「現在はブームの加熱も落ち着いてもんじゃ焼きも再開していますが、個別のメニューに人気が集中したときはいったんそのメニューを下げることにしています。こちら側としては色々なメニューを楽しんでもらいたいですし、その人気メニューが飽きられるとそれも客数の急激な減少につながってしまいますから」

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松嶋三郎

ライター: 松嶋三郎

フリーランスのライター。堅いネタから柔らかいネタまで、週刊誌やビジネス誌など紙・Web問わず多数のメディアで執筆中。「書く記事はジャンルも内容も媒体も食わず嫌いしない」がモットー。 https://twitter.com/matsushima36