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坪月商100万超え! 新宿『ビア&カフェBERG』が激戦区で30年以上愛され続ける理由

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客単価はバラバラながら、一日の客数は1,000人、月商は1,600万円超え

駅直結という場所柄、コロナ禍の影響をもろに受けたが、最近は売上も復調してきたのだとか。

「現在の月商は1,600~1,700万円ほどです。緊急事態宣言の発令中は200万円なんて月もありましたから、今は本当にありがたいですね。現在、一日の来客数は1,000人くらいですが、客単価はお客様によって本当にバラバラです。例えばモーニングの方は500円くらい、ビールとおつまみの方は1,000円くらいですし、お酒と料理を飲んで食べて2,000円とか3,000円の方もいれば、コーヒーを一杯だけ飲む220円の方もいます」

カウンターやショーケースで販売される商品もテイクアウトで人気だ

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美味しいものを提供したいからこそ、ギネスビールの味の変化を残念に感じた

店舗を経営していると大人の対応をしなければならない場面もある。しかし、『ベルク』はダメだと思ったことにははっきりと発言する店である。そんな井野氏が最近残念に思ったのはギネスビールの味の変化だという。

「『ベルク』は“味第一主義”でやっていて、自分たちが納得したものしか提供したくないんです。そしてギネスを扱うことはビールを提供する店として憧れていたし、『ベルクにはうまいギネスがある』ということも誇りにしてこれまでやってきました。そんなギネスの味がある日突然変わったんです。現在のギネスは僕から言わせると『水にギネスみたいな味がついたもの』になってしまった。味が変わったというレベルじゃなくて完全に別物で、裏切られたような気持ちです。まだそのショックから立ち直れてないんですよね」

メーカーからも味に関しての説明を受けたが、『ベルク』での販売は終了したという。

毎朝一番に出勤して店舗の掃除を欠かさないという

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抵抗する精神こそが『ベルク』のスタイル

多くの店はここまではっきりと物申すことはないだろう。しかし、「抵抗するのも『ベルク』のスタイル」と井野氏は続ける。

「過去に立ち退きを要請されたことが何度もありますが、そのときは売上を上げまくって抵抗しましたし、禁煙化の要請も最後まで抵抗しました。ギネスの味の変化もそうですが、そうやって声を上げるのは一日でも長くここで商売していたいから。長年皆さんから支持されてきた『ベルク』みたいな店は、続けることに意味があると思うんです。めちゃくちゃ飽き性の僕が33年やってこれたのも、何より飲食店が好きで、お客様に喜んでもらえるから。いい店であるために、僕は一生いろんなものに抵抗し続けると思います」

井野氏の『ベルク』への愛は計り知れない。新宿の一等地で長年繁盛しているので、飲食店としての基本を追求しているのは当然のことだが、店や客のことを第一に考え、おかしいと思ったことには「NO」をきちんと言う。そんな熱い気持ちを持ち続けていることも『ベルク』が多くの顧客の心を掴んでいる理由なのかもしれない。

『ビア&カフェBERG(ベルク)』
住所/東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿B1
電話番号/03-3226-1288
営業時間/7:00~L.O.22:30
定休日/不定休
席数/38

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松嶋三郎

ライター: 松嶋三郎

フリーランスのライター。堅いネタから柔らかいネタまで、週刊誌やビジネス誌など紙・Web問わず多数のメディアで執筆中。「書く記事はジャンルも内容も媒体も食わず嫌いしない」がモットー。 https://twitter.com/matsushima36