台湾のYouTuberが「日本のマズい飲食チェーン」動画で炎上。これって名誉毀損? 弁護士に聞いた
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飲食店が万が一巻き込まれてしまった場合は、早めに専門家への相談を
ではこうした事案に対して、飲食店側はどのように対処すればいいのか。植田弁護士は次のようにアドバイスする。
「昨今、SNSの急速な発展に伴い、炎上に巻き込まれるリスクが非常に高くなってきています。そのため、飲食店の関係者はたかだかSNS上の問題と軽視せず、常に炎上のリスクと隣り合わせであることを意識し、炎上対応について、事前に学んでおくことが大事になります。万が一、炎上が生じた場合には、すぐに専門家の助言を受けながら、被害を最小限にとどめるようにしましょう」
もはや、飲食店にとって炎上は他人事ではなく、事前の備えも必要という訳だ。
「常に誰かに見られているということや、炎上のリスクと隣り合わせであることを意識し、火種を作らないように従業員も含めて日頃から勉強をすることが大切です。また、本件のような事態に巻き込まれてしまった場合には、事実関係を正確に把握し、防犯カメラの映像や来店時の記録などの証拠を保管したうえで、なるべく早く専門家に相談することが大切です」
蔡阿嘎の場合は、ユーチューバーとして自ら撮影した動画が証拠となった。しかしSNSでは文章や画像による批判もあり得る。飲食店側も防犯カメラを設置するなど、証拠を残すための自衛策をあらかじめ講じることが、ますます必要になっていくだろう。
SNSは飲食店を手軽にアピールする強力なツールでもある。しかし一方で、SNSを通じて思わぬ炎上に巻き込まれることが増えてきた。残念ながら、今後もこうした傾向は続くだろう。リスク対策として、飲食店側としても知識を身につけ、備えておくに越したことはない。
※今回お話をうかがった弁護士
<植田仰生(うえだ・あおい)>
レイ法律事務所所属。高校まで培ったサッカー経験を活かして、スポーツを取り巻く諸問題に関心を抱き、弁護士を志す。目先で発生したトラブルの解決にとどまらず、想像力を駆使して依頼者にとっての最善に想いを巡らせ、解決後まで見据えたサービスを目指す。「粘り強く、最後の最後まで最善を追求し続ける」のがモットー。
