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『裏の山の木の子』のオーナーは空想上の人物!? 独自の戦略で月商1,300万円超え!

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恵比寿店の内装。壁飾りもキノコをモチーフにしていてまさにキノコづくし

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客単価アップと集客が当面の課題

ほぼ同時期にオープンした『裏の山の木の子』渋谷店と恵比寿店。両店の売上データなどについても聞いていく。

「渋谷店は39坪で73席、恵比寿店は28坪で52席。どちらも客単価は5,500円ほどで、秋以降のシーズンだと渋谷店の月商は1,300万円を超えるくらいです。カジュアルな日式火鍋の店を目指してはいますが、採算を考えると客単価は6,000円台に載せたいなというのが直近の課題ですね」

客単価のアップ以外にも課題があるという。

「キノコのイメージ的に秋口から急激に客数が増えるのですが、それと比べるとオフシーズンはどうしても弱いんです。一か月の客数は渋谷店が約1,500名、恵比寿店が約800名ですがシーズンになると1.5倍近くになるので、オフシーズンの底上げも課題です」

客数アップのための取り組みは行っているのだろうか。

「SNSでの発信で認知の拡大と新規客の取り込み、店舗でのサービスを充実させてリピーターの定着を狙っています。立地条件などを鑑みて、特に恵比寿店は現在のリピート率30%から50%程度を目指しています」

インフルエンサーの活用も現代の飲食店らしい集客方法だ。

「ほかには、フォロワー数が数千人程度のナノ~マイクロインフルエンサーにこちらからアプローチして、いかに発信してもらうかという取り組みも行っています。フォロワーが多過ぎないことで、わざとらしくないリアルな発信が親近感を得られているようで効果も出てきています」

恵比寿店の外観。柔らかい書体のロゴも親しみやすさを狙ってデザインされたという

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『裏の山の木の子』の今後の展望は?

「正直なところ、目標とする売上にはまだ届いていないので、まずはしっかりと店舗を軌道に乗せることが当面の目標です。そのためにはオフシーズンの底上げが急務。たとえば夏はエノキが美味しいですし、一年中美味しいキノコがあることを発信し続ければ安定した売上が見込めると思います」

もちろん、そこがゴールではないと田中氏は続ける。

「現状、火鍋というとガチ中華系のお店が多いので、もっとカジュアルに楽しめるものだという認知を広げたいんですよ。薬膳系の鍋にキノコが入ることで外食なのに体にいい……という強みもアピールしつつ、我々の日式火鍋が新しい文化を作れたらいいなと思っています」

母体は『塚田農場』を運営する会社ではあるが、コンセプト作りからまったく違う新たなチャレンジを進める『裏の山の木の子』。蓄積された豊富なノウハウ、そしてキノコと火鍋という独自性で着実に人気を集めている。この調子で成長を続ければ田中氏が語ったように、新たな文化を作るのもそう遠くない未来かもしれない。

『裏の山の木の子 渋谷』
住所/東京都渋谷区道玄坂1-3-11 一番ビル2F
電話番号/050-5571-3597
営業時間/月~金11:00~14:00(L.O.13:30)、17:00~23:00(L.O.22:00)、土・日・祝16:00~23:00(L.O.22:00)
定休日/年末年始
席数/73(テーブル58席、カウンター15席)

『裏の山の木の子 恵比寿』
住所/東京都渋谷区恵比寿西1-9-1 第2ともえビル2F
電話番号/050-5869-2405
営業時間/月~金17:00~23:00(LO.22:00)、土・日・祝12:00~14:30(完全予約制)/16:00~23:00(LO.22:00)※連休最終日などは~22:00(LO.21:00)
定休日/年末年始
席数/52(テーブル40席、カウンター12席 ※うちテーブル様対面式カウンター4席)

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松嶋三郎

ライター: 松嶋三郎

フリーランスのライター。堅いネタから柔らかいネタまで、週刊誌やビジネス誌など紙・Web問わず多数のメディアで執筆中。「書く記事はジャンルも内容も媒体も食わず嫌いしない」がモットー。 https://twitter.com/matsushima36