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坪月商70万円を誇る池尻大橋『リバーサイドヤオヤ』。“当たり前”の積み重ねで超繁盛店に!

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幼い頃から大の焼き鳥好きだったこととその職人技に惹かれ、飲食店の中でも「焼き鳥」の世界へ

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時代に合った「自然体」だからこそ、多くの客に受け入れられる

今、『リバーサイドヤオヤ』に訪れるのは30代を中心に、20代から50代と比較的若い世代の客だ。ターゲットを絞る意図があったわけではなく、自分がやりたいことをブレずに表現したら、それに共感するお客様が集まってくれたと遊津氏は語る。

「ここで提供しているのは、自分が旨いと思う料理と酒、そしてデザインや音楽などの自分が好きなカルチャーと、自分がいいなと思うサービスです。確かに、いわゆる老舗焼き鳥店とは少し違う印象を受けるかもしれませんが、老舗の店もおそらく、その当時の方なりの“かっこいい”が表現されたものであって、それがその時代のお客様に受け入れられたから自然と愛されてきたはず。だから、今の僕らが昭和と同じことをするのはある意味で不自然で、むしろこの方が自然体。だからこそ今の時代のお客様が受け入れてくださっているのだと思います」

接客にマニュアルはないが、基本的な挨拶やマナーなどは徹底。グラスの向きは正面に!

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かつての当たり前をそのまま踏襲するでもコンセプトありきのネオ酒場を意識するでもなく、すべてにおいて遊津氏自身の意志が表れているのが『リバーサイドヤオヤ』だ。「どんな時代でも、確かな料理と酒とサービスがあれば必ずいい客がついてくれる」と、遊津氏は言い切る。

利益率25%超の秘訣は、メニュー・人員・価格の適正なバランスコントロール

こうして固定客を着実に増やしながら、25%超という高い利益率を実現している点も彼の優れた手腕といえるだろう。そのカギは、メニュー、サービス、人員、そして価格設定における徹底したバランスコントロールにありそうだ。

まずはメニュー。品質が味に直結する串には厳選した銘柄鶏を使用し、「旨い焼き鳥」に妥協を許さない一方で、串以外の一品料理の種類もあえて豊富にラインナップ。串に比べて単価が上げられる上に、原価管理がしやすいからだ。また、営業中に焼き場へ負担が偏ることを避けるというオペレーション面でのバックアップ役も果たしている。

グランドメニュー以外にも日替わりのおすすめをそろえる

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もちろん、一品料理へのオーダーが重なれば逆に調理場の負担が大きくなるため、スタッフ同士の連携は欠かせない。ゆえに人員体制においても遊津氏なりの工夫が。それが、必要最小人数での営業コントロールにあった。あえて人員はギリギリに抑え、スタッフ同士が常に互いに目を配り合い、声をかけ合わなければ回らないという状況下で営業に臨むのだ。

「無茶をするのではなく、一人ひとりがきちんとお客様を見て・考え・協力し・最大限に自分のパフォーマンスを発揮すれば、最高のサービスができるバランスを見極めています。ただ、それもスタッフ全員が同じ方向を向いてチーム一丸となっているからこそできること。普段からすごく仲がいいですし、部活みたいですよ(笑)」

一番人気は、刻んだ大葉を和えた『せせり』

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そして最終的に、それらの料理とサービスに見合ったベストな価格を常に探っていると遊津氏は語った。ビール1杯に高い値段をつけて儲ける気はないと話す反面、店の価値を下げないためにもきちんと適正な価格を定める。結果、原価率を28〜30%に抑えながら、お客には価格以上の高い満足感を残すことができ、安定した来店につながっているのだ。

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山本愛理

ライター: 山本愛理

フリーライター・エディター。WEBを中心に食にまつわる記事を執筆。 昔ながらの喫茶店から星付きレストランまで、美味しいものを通して幸せな時間を提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。空いた時間はもっぱらカフェ巡り。