『スシロー』がGW明けに2日間の一斉休業を発表。大手外食チェーンに広がる「働き方改革」
回転寿司チェーンの『スシロー』が5月14日(火)、15日(水)の2日間に一斉休業をすると発表した。同社では2019年から一斉休業を実施しており、今回が6回目。このほか、大手外食チェーン数社がゴールデンウイーク前後の休業を発表している。背景には何があるのだろうか。
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大手外食チェーン数社が一斉休業を発表
ゴールデンウイーク(以下、GW)を控え、大手外食チェーンがGW前後の休業を発表した。回転寿司チェーン『スシロー』は、5月14日(火)、15日(水)に国内の店舗(一部除く)が一斉休業となる。このほか、しゃぶしゃぶや日本料理店を運営する木曽路グループは、5月7日(火)、8日(水)に、『味の民芸』などを運営するサガミホールディングスは5月1日(水)に、それぞれグループ全店一斉休業となることを発表した。
GW中に外出や外食をする人が増える分、GW前後は飲食店の利用を控える傾向もあるが、チェーン店が一斉休業すれば、大きく売上を落としかねないだけでなく、顧客が競合店に流れる恐れもある。それでも休業を決めるのは、従業員の働く環境改善を目指すためだ。
職場環境を改善し人材確保につなげる
帝国データバンクによると、2023年度に倒産した飲食店の件数は過去20年間で最多に。2022年から続く、光熱費や食材価格高騰、そして人手不足の深刻化により、事業継続が厳しくなった飲食店が増えているという。さらに、「キャリアを積んでいく上で転職は当然」「職場に自分を合わせるのではなく、自分に合った仕事、職場を見つける」という価値観が広がりつつある。優秀な人材の確保と離職者を減らすことは飲食業界全体の課題だ。
こうした中、飲食店がGW前後やGW期間中に休業することは、従業員のモチベーションアップにも直結する。スシローでは2019年から一斉休業を続けており、実際に社員や従業員、その家族から高い反響があるという。また、「労働環境改善に前向きな会社」だと示せるため、新たな人材確保をしやすくなるとも考えられる。
近年では年末年始に休業する外食チェーンも増えている。まだまだ「飲食店は休日が少なく勤務時間も長い」というイメージがあるが、少なくとも「チェーン店は年中無休」という常識は過去のものになりつつあることは歓迎されるべきことだといえるだろう。
