三軒茶屋で坪月商50万円超! 『大衆酒場 ネオトーキョー』の“多様なカルチャー”が息づく店づくり
定番料理を分解・再構築。お客が驚く「見せ方」も武器に
従来の大衆酒場といえば、煮込み、焼き鳥、刺身などの和食が定番だが、『LUZ』や2号店の『イタリアンキュイジーヌ&ナチュラルワイン LUCE』(代々木八幡/2019年開業)で蓄積したノウハウを活かし、必然的にメニューは得意な洋食とのミックスになった。
一番人気は、雲丹とたっぷりのソースでシズル感を演出した「ウニボナーラ」。さらに、「博多名物 炊き餃子」や「豚バラ串」など、岩崎氏の地元である福岡のメニューも取り入れることで他店との差別化を図った。
「ヒップホップでいうサンプリングみたいに、昔からあるものを分解・再構築して自分のものにするのが僕は得意なんです。料理も同じで、定番料理をベースにしながらも他にはないメニューにすることを意識しています」
画像を見るメニュー作りでもうひとつ、岩崎氏が重視しているのが「見せ方」だ。たとえば「ホルモン串」は、デミグラス風のソースで煮込み、残ったソースにフォカッチャをつける食べ方を提案。「溢れるチーズの牛タントマト煮込み」はバスク料理をベースに考案したもので、客席でチーズをかけてシズル感を演出する。刺身で食べられる鮮度のアジを使った「生トロアジフライ」は連日売り切れる人気商品で、「食べられなかったからまた来よう」という動機付けにもなっているという。
画像を見るあえて脇役の料理を作り、主役メニューを際立たせる
メニューは、アラカルトのみで約50品。上記のような名物メニューだけでなく、「たたききゅうり」や「季節のアヒージョ」といったシンプルな料理もそろえているが、これは岩崎氏が「主役と脇役を作る」ことを意識しているからだ。
「派手な料理ばかりだと、自分たちが主役にしたい、食べてほしいと思う料理も埋もれてしまいます。脇役がいることで主役が引き立ち、みんながそれを注文してSNSに載せてくれて、店の名物として認知されます」
ドリンクはビール、ハイボール、サワー、酎ハイ、自然派ワインなど満遍なくそろえており、ロゴ入りのグラスで提供する「季節限定あらごしサワー」など映えるドリンクも人気だ。