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三軒茶屋で坪月商50万円超! 『大衆酒場 ネオトーキョー』の“多様なカルチャー”が息づく店づくり

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一番人気の「ウニボナーラ」(1,628円)は、2店舗共通(写真提供:株式会社SLICK)

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三軒茶屋と下北沢、似ているようで異なる街での店づくり

ワインを売りにしっかりとした料理を楽しませる『LUZ』や『LUCE』とは異なり、『ネオトーキョー』は、店舗展開も視野に入れて作った業態だ。出店エリアの条件は、若者が多いこと、飲食にお金を使う人が多い街であること、感度の高い人が集まるエリアであること。これらを満たすエリアとして2023年4月にオープンしたのが下北沢店だ。店内の活気が伝わるガラス張りの空間に、ストリート感を打ち出した内装は三軒茶屋と統一しながらも、やや洗練された印象に。料理、ドリンクは一部下北沢店限定メニューがあるものの、ほぼ共通。三軒茶屋より少し広い15坪32席で、月商450万と好調に推移する。

開業1年を経て、「三茶と下北は街のカラーが全然違う」と岩崎氏は言う。

「下北沢のほうが客単価の安い飲食店が多く、うちは少し敷居が高いと思われてしまっているようです。それに、三軒茶屋に集まる若者はお酒が好きで量も飲みますが、下北沢はあまり飲まない印象があります。難しさも感じていますが接客で変えていける余地があるので、今のスタイルは崩さずに貫いていきたいです」

三軒茶屋店の店内に飾られたスケートボードは、店の象徴でもある

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尖り続けて、新しいものを発信していく

新しい居酒屋のトレンドとして「ネオ大衆酒場」と呼ばれる業態が増えている昨今、「たとえばスケートボードを飾る店も増えたけど、そこに意思や明確な理由はあるのか? 今後は本物しか生き残れないのでは」と岩崎氏は言う。

「僕はこれまで音楽やファッションをやってきましたが、ビジネスの基本はすべて同じで、いかにカスタマーに喜んでもらうか、どう興味を引いて買ってもらうかだと思っています。そのためには他の人がやっていないことをやって、常に尖ったものを提供して、業界をリードしていかなければなりません」

今後は、年内にも恵比寿に新業態の出店を予定しているほか、福岡や海外(アジア)での出店も視野に入れており「やりたいことは山ほどある」と岩崎氏。5月には、「飫肥杉」で知られる井上酒造とオリジナルの焼酎を発売するほか、海外アーティストとのコラボや、ワイン事業部の立ち上げなど、飲食店以外の事業にも積極的に展開する方針だ。

会社の成長に不可欠な人材も、業態を尖らせることで集めやすいと岩崎氏は説明する。

「居酒屋業態は採用が難しいという声も聞くけど、僕自身やりたいことがたくさんあるので、本人の適性がハマるのであれば一緒に面白いことをやりたいというスタンス。カルチャーが伝わるお店には、同じような嗜好や感性をもった人間が集まりやすいですし、新しいアイデアやコラボも生まれやすいと感じています」

スケートボードに音楽、アパレルと多方面で才能を発揮してきた岩崎氏だが、「今は飲食が本業」と語る。様々な業界に身を置いてきた岩崎氏ならではの自由な店づくりに、今後も注目が集まりそうだ。

『大衆酒場 ネオトーキョー 三軒茶屋』
住所/東京都世田谷区太子堂3-15-5 バナナビル1F
電話/03-5432-9150
営業時間/18:00~翌2:00、日祝17:00~翌1:00(各1時間前L.O.)
定休日/月曜
席数/20(テラス含め24)
https://www.instagram.com/neotokyo_sancha/

『大衆酒場 ネオトーキョー 下北沢』
住所/東京都世田谷区北沢2-12-13 細沢ビル1F
電話/03-6453-2746
営業時間/18:00~翌2:00、日祝17:00~翌1:00(各1時間前L.O.)
定休日/火曜
席数/32
https://www.instagram.com/neotokyo_shimokitazawa/

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笹木理恵

ライター: 笹木理恵

飲食業界専門誌の編集を経て独立。スイーツ・パンからフレンチ、ラーメンなどまで、食のあらゆるジャンルを担当。飲食専門誌を中心に、一般雑誌やWEB、書籍などで活動している。「All About」「Yahoo!ニュース個人」でも執筆中。 https://foodwriter-rie.com/