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狙うは3店連続の月商1,000万円超え。恵比寿のネオ大衆酒場『ひまり堂』のメニューを徹底解剖

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「定番を外さない」がメニューづくりの基本方針

メニューづくりの基本方針は『つむぎ堂』、『ヒロキ倶楽部』から変わっておらず、ポイントは「定番を外さない」ということ。「肉味噌きゅうり」(418円)、「甘海老の酒盗和え」(605円)、「牛すじグラタン」(858円)、「海苔塩チーズのポテトフライ」(575円)など、定番料理にひと捻りを加えた商品を中心にメニューを組んでいる。

隠れ名物メニューとして投入したのが「特大 明太子のレアフライ」(880円)だ。明太子フライを青ジソでサンドして食べるスタイルを提案しており、「断面映えする明太子の赤みと鮮やかな青じそ、それをネイルアートした女性のお客様が摑むことをイメージして開発した」と村野氏は説明する。

「特大 明太子のレアフライ」(880円)。断面映えする明太子に鮮やかな青じそを組み合わせた(画像提供:LINK STYLE)

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また、〆メニューの「かつお出汁香る カルボナーラ」(990円)は黒コショウではなく、魚粉をかけて仕上げるユニークな麺料理だ。そのうえ、「麺にはパスタではなく、中華麺を用いて麺の茹で時間を1分に短縮している」(村野氏)など、個性化とオペレーションの軽減化を図る工夫をメニューの随所に凝らしている。

日本酒、焼酎、ワインの品揃えを店長が考えることで現場の責任感を高める

70種を用意しているドリンクメニューで重視したのが、ハイボール、サワー、お茶割りの品揃えだ。ウイスキーに林檎ティーを漬け込んだ「林檎ティーハイボール」(528円)、焼酎に山椒を漬け込んだ「山椒サワー」(528円)など、漬け込みウイスキーや漬け込み焼酎でメニューバリエーションを広げ、3つのカテゴリーで計27種をラインアップしている。

写真左から、「山椒サワー」(528円)、「林檎ティーハイボール」(528円)、「ぶどうビール」(528円)

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「既存店でフルーツサワーなど写真映えを意識したドリンクメニューを投入したことがありましたが、そういった商品は原価が上がりやすく、ドリンクメイクにも手間がかかります。写真映えという点では、グラスデザインを工夫していれば、お客様は写真を撮ってくださいますから。『ひまり堂』では調理工程がシンプルな割物メニューによって品揃えの幅を拡げました」(村野氏)

ドリンクはハイボール、サワー、お茶割りの品揃えを厚くした。値頃感を出すため、税抜価格を500円以下に抑えている

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また、現状では本格焼酎4種、日本酒7種、ワイン5種を揃えているが、「これらの品揃えは固定化せず、現場スタッフの判断で変えていくつもりです」と村野氏は言う。

「今は僕も現場に立っていますが、『ひまり堂』の多店化に乗り出せば、恵比寿店の運営は店長に任せます。与えられたメニューをこなすだけでなく、お客様の要望を汲んで焼酎や日本酒などの品揃えを変えられるようにしておけば、店長の責任感が高まり、お酒の勉強するようになるだろうと考えたわけです」

月商1,000万円突破は固い。首都圏で10店体制を目指す

客単価は『つむぎ堂』の4,400円、『ヒロキ倶楽部』の6,500円に対し、『ひまり堂』は4,200円に設定。冒頭でも述べたようにオープン直後から集客は好調で、「6月には第一目標の月商1,000万円突破は固い」と村野氏は自信を覗かせる。

主客層は20代後半~40代の男女で、狙い通りに幅広い年齢層の支持を獲得。「現状では客席回転数を上げずに営業していますが、オペレーションの検証が済んだら回転率アップにも取り組み、月商1,300万円をめざしたい」と村野氏は語る。『ひまり堂』は首都圏で10店体制を構築する計画であり、池袋駅や上野駅などのターミナナル駅周辺を主要立地として2024年中に新たに2店の出店を計画。快進撃を続ける同社の動きから目が離せない。

『酒場ひまり堂 恵比寿店』
住所/東京都渋谷区恵比寿西1-3-10 ファイブ アネックスB1F
電話番号/03-5422-3907
営業時間/17:00〜23:30(フードL.O.22:00/ドリンクL.O.22:30、土日祝は16:00~)
定休日/無休
席数/53

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。