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「THINK ME」で語られた女性パティシエの現実。女性が飲食業界で長く働くには何が必要か

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150人以上のパティシエや料理人たちが、トークセッションに耳を傾けた(写真提供:ufu.)

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パティシエ、また料理人や美容師など「職人」として働く女性たちが長く働き続けるためにはどうすればいいのか、どんな理想が実現可能なのかを語り合うイベント「THINK ME」が開催された。

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イベントを主催したのは全国のスイーツ情報を発信するウェブメディア「ufu.(ウフ)」を運営する風讃社。「ufu.」編集長・坂井勇太朗さんと、女性パティシエの加藤峰子さんがオーガナイザーを務めた。

加藤さんは資生堂パーラーが運営するイノベーティブレストラン『ファロ』でシェフパティシエを務め、2022年に「ゴ・エ・ミヨ」日本版でベストパティシエ賞、2024年には「アジアのベストレストラン50」において、「アジアのベスト・ペイストリー・シェフ賞」を受賞している。

会場はパティシエや料理人、販売など店舗での業務に従事する150名を超える人たちが集まった。その多くは20~30代の女性パティシエたちだ。東京・銀座の資生堂花椿ホールにしつらえられたテーブルには、それぞれの卓ごとに約20人ずつ参加者が座り、30人ほどの先輩パティシエたちもそれに加わった。

今回のイベントは、加藤さんの「自分と同世代のパティシエが女性でほとんど残っていない、これはパティシエの世界だけではなく、働き方の問題だ」という言葉を坂井さんが聞いたことがきっかけになっているという。

製菓・製パン専門の求人サイト「パティシエント」が集計したデータによると、パティシエの男女の年齢ごとの比率の推移では、30歳までは女性の人数が男女全体の80%を超えている。全世代の合計でも男性691人に対して女性が2,086人、圧倒的に女性が多い。

2017/6/1~2024/2/27までにパティシエントのサイトの会員登録をした人のうち、明確にパティシエを希望、または経験している人の人数(イベント配布資料をグラフ化。グラフ作成:筆者)

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うずら

ライター: うずら

レストランジャーナリスト。出版社勤務のかたわらアジアやヨーロッパなど海外のレストランを訪問。ブログ「モダスパ+plus」ではそのときの報告や「ミシュラン」「ゴ・エ・ミヨ」などの解説記事を執筆。Instagram(@photo_cuisinier)では、シェフなど飲食に携わる人のポートレートを撮影している。