食品ロス削減に向け、持ち帰りガイドライン骨子案を公表。年内に取りまとめる方針
厚生労働省は10月16日、食べ残した料理を衛生的に持ち帰るガイドライン骨子案を公表した。食べきれずに残してしまう食品ロスを減らすために、2024年中にはガイドラインを取りまとめる予定だ。今回は、食べ残しの持ち帰りに関する食品衛生ガイドライン骨子案について紹介する。
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厚生労働省が食べ残し持ち帰りガイドラインを公表
厚生労働省は「まだ食べられるのに食べ残して廃棄される」ことによって起こる食品ロスを削減するため、「食べ残しの持ち帰りに関する食品衛生ガイドライン」の骨子案を公表した。農林水産省・消費者庁・環境省が公表している食品ロスの統計では、令和4年度の食品ロス量は472万tにも上り、そのうち食品関連事業者による事業系食品ロス量は236万t。外食産業などの食品関連事業者による事業系食品ロスについては、2000年比で半減させるという削減目標を達成してはいるものの、依然として社会課題となっている。
そのような状況下で、厚生労働省では「食べ残しの持ち帰りに関する食品衛生ガイドライン検討会」が設置され、今年7月から検討会が開催されてきた。今回は「食べ残しの持ち帰りに関する食品衛生ガイドライン」の骨子案が公表されたが、年内にはガイドラインを取りまとめる予定となっている。
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「食べ残しの持ち帰りに関する食品衛生ガイドライン」骨子案の内容
今回公表された骨子案では、その場で食べきることが基本であること、持ち帰りはどうしても食べきれない場合の手段のひとつであり、食べ残しの持ち帰りは自己責任であることが前提として示されている。また、ガイドラインの対象となるのは、レストランなどの一般的な飲食店のほか、ホテルで行われるビュッフェ形式の宴会やパーティなどとされ、持ち帰り前提のテイクアウト店舗や学校・病院などの集団給食施設は対象外だ。
その上で、持ち帰り可能な食品として検討しやすいものは、中心部を75度以上で十分に加熱されている商品や微生物の増殖の影響が小さい食品などで、具体的にはパン、フライドチキン、焼菓子、焼魚などが挙げられている。生ものや半生など加熱が不十分な料理については、その場で食べきることを促すとしており、具体的にはサラダや刺身などが挙げられる。さらに持ち帰り容器に移し替えるときは、消費者が使い捨て手袋を使って行い、持ち帰った人が速やかに消費するといった点も示された。
今回示された骨子案は今後の検討材料としての資料であり、そのままガイドラインとなるわけではない。今年中には取りまとめるとされているガイドラインが、食品ロスの削減につながることが期待される。
