『呑ん処二〇九』など渋谷ドミナント全店で月商1,000万円超。209流「永続的」繁盛店のつくり方
満足感の高い絶妙な値付けが、「また来たい」というリピートに繋がる
例えば『呑ん処二〇九』では、税抜価格で天ぷらは1個80円、ビールは大瓶で580円、ホッピーセットは590円という設定。「二〇九は大衆酒場なので、ぱっと見で安いと感じてもらえるか、を重視しています。スタッフに『ポテサラ380円って高いかな?』と聞くと、『どれくらいの量ですか』といった質問がくるんですけど、お客さんは視覚的な情報のみで注文するので、第一印象で安いと感じてもらうことが大事。そこでスタッフが言った価格よりも少し安く設定して、中身や量は売価に合わせて調整するようにしています」と宮村氏は説明する。
今でこそいずれも連日満席の繁盛店だが、宮村氏は「最初からハネた店なんてないんですよ。シブヤバルもアジアンバルも、最初は赤字続きで。『209スタンド』も、元気をチャージする“エナジースタンド”という意味合いのつもりで店名をつけたら、多くの人が立ち飲み店をイメージされたようでお客さんが全然来なかった(笑)。むしろ、徐々に自分達の速度で手直ししていくのがうちらしいかなと思っています」と続ける。
『シブヤバル209』は、「お客さんが来なすぎて、渋谷を歩いている外国人に『一杯奢るからうちで飲んでいって!』と声をかけて賑わっている空気感を出した」というのが今では笑い話になっているというが、その後も「12時までの入店限定!500円ワンコインランチ」や「新社会人応援!名刺交換でワイン1本サービス」、寒い時期に「女性のみのグループはテラス席50%オフ」といった名物企画を次々と打ち立てていった。
「ぶっ飛んでるね、とか、イカれてるね、とかはむしろ褒め言葉。他にはない企画でお客さんに楽しんでもらえたら」と宮村氏。『209スタンド』や『吞ん処二〇九』では大人が楽しめる店にしたいと「男性のみ、24歳未満の人は23時までのご来店をお断り」というルールを設けているが、それが誕生した背景もこうしたルーツを知ると頷ける。
