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『呑ん処二〇九』など渋谷ドミナント全店で月商1,000万円超。209流「永続的」繁盛店のつくり方

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『吞ん処二〇九』でも、説明書きを貼ったワインを冷蔵庫に入れ、セルフで選んでもらう

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ワインには原価を投じ、省人化によるコストカットでカバー

また、『209スタンド』で売りのナチュラルワインも、開業時はなかったが途中で取り入れたメニューだ。「オープン直後に知人の飲食関係者を招いたら『ヴァンナチュールある?』と聞かれて、慌てて調べました(笑)。後日、飲んでみたらおいしくて、オープン1か月後には全てナチュラルワインに変えました」と宮村氏。

ワインを売るためにソムリエの資格支援制度も導入し、支援利用者の合格率は約80%を誇るが、現在はさらに進化し、ソムリエが常駐していなくてもワインを売れる仕組みを考案。ボトルにワインの説明を貼り、「自分でセラーから選んだら1,000円引き」で提供する。常時100種類ほどを揃えるワインはすべて在庫管理アプリを活用し、データを共有しスタッフの勉強にも役立てている。ワインの原価は50%を投じるが、ビールやサワー、ホッピーの出数も多いためトータルの原価率は抑えられているという。

このように、無理のない省人化で人件費を削減しつつ、その分を食材やワインへ還元して顧客満足度を高め、客単価の向上に繋げている点が、息の長い繁盛店を作るポイントのひとつなのだろう。

「大衆酒場の雰囲気そのままで、スペインでやりたい」と宮村氏

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スペインへの出店を計画中。国内でも店舗拡大を目指す

もともとスペインが好きで、いつか出店したいと考えていたという宮村氏。昨年、現地とのコネクションができ、またスペインで働きたいというスタッフが入社したことで計画が現実味を帯び、来年にも出店するつもりで準備を進めている段階だ。「スペインで大衆酒場をやりたいので、『二〇九』でそのまま勝負してみたい。ヨーロッパはまだ日本の居酒屋文化が浸透していないので、ポテンシャルはあると感じています」と宮村氏。

現地で法人を作り店舗展開を考えるほか、国内では上野や御徒町のエリアにも魅力を感じているという。「2023年に、浅草に『呑みやしき209』を出店したことで、渋谷以外のマーケットでも経験値ができました。今後も渋谷を拠点としつつも、新しいことにチャレンジしていきたい」と意気込みを語ってくれた。

『呑ん処二〇九』
住所/東京都渋谷区道玄坂2-9-10
電話番号/03-6712-7781
営業時間/15:00~翌5:00
定休日/なし
坪数・席数/16.6坪・50席
https://www.instagram.com/nondoko209/

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笹木理恵

ライター: 笹木理恵

飲食業界専門誌の編集を経て独立。スイーツ・パンからフレンチ、ラーメンなどまで、食のあらゆるジャンルを担当。飲食専門誌を中心に、一般雑誌やWEB、書籍などで活動している。「All About」「Yahoo!ニュース個人」でも執筆中。 https://foodwriter-rie.com/