代々木上原の顔『ランタン』。急拡大を続ける居酒屋の影にスタッフの急成長あり
情報共有で醸成されるチームの一体感
新たな食の提案をするフードディレクターとしての顔も持つ丸山さん。『ランタン』の名物である「鶏もものからあげ」を更にブラッシュアップすることにも余念がない。バロティーヌという鶏肉で野菜を包むフランス料理から着想を得て、『はなれ』を代表する新名物も生み出した。
「からあげのアイデアは常にスタッフからも募集しています。『はなれ』の名物は僕の完全オリジナルですが。例えば、〆の人気メニューになっている『焼きそば』は店長の赤池が開発したものです。もともとは夏限定の予定でしたが、評判が非常に良いので通年で提供することにしました」
『はなれ』の店長である赤池忍さんは、もともと『ランタン』2号店である池尻大橋店を取り仕切っていたスタッフ。彼の成長を促したことが、『はなれ』の発展にも結びついたと丸山さんは振り返る。
「飲食店はスタッフ一人の存在でがらりと変わるもの。店長の赤池がどのように他のスタッフと向き合っているのか、その様子を観察しながら、自分が知っていることは包み隠さず全て教えてきました。飲食店に大切なこと、一つは技術、一つは人のつながり、もう一つは経営です。特に、僕が若いころは経営について教えてもらえる機会がなく、苦労をした経験がありますので」
将来は独立、更なる高みを目指すスタッフを積極的に求めている丸山さん。「そのプロセスとして、うちで働くのもありかもしれないね(公式HPからの抜粋)」という姿勢で人材採用・育成に力を入れているという。
「ここ数年は予算や売上を社内全員で共有しています。スタッフに年間、月間、日間の予算を持たせて、その組み方や管理についても学んでもらうよう舵を切りました。技術が良いだけでは飲食業界で生き残るのは難しいものです。そして、売上というのは単なる数字ではありません。それは『お客さまをたくさん笑顔にした、喜ばせてきた証しなんだよ』ということを、しっかりと伝えています。そういった試みをはじめてから、社内全員の気持ち、成長の方向性が一つにまとまってきました」
