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激戦区・学芸大学で好調続く『コーヨーハイツ』。業務効率化=労働環境の改善でさらなる高みへ

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『コーヨーハイツ』は料理長の今福聡氏(左)をはじめ3人の料理人と、サービス担当のアルバイトが数名勤務

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慢性的な人材不足が続く飲食業界。人材の募集や育成についてさまざまな課題を抱えているのは、繁盛店でも同様だ。

2023年にオープンした学芸大学の『コーヨーハイツ』も坪月商80万円を弾き出す人気店。同店を手がけるbros & co.株式会社では、より良い人材を採用・育成するために、今も試行錯誤を続けている。飲食専門の求人サービス「求人飲食店ドットコム」ユーザーでもある、同社の代表取締役、高宮成氏にその取り組みについて聞いた。

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コロナ禍以降、求人に苦戦。業務を効率化し、労働環境を改善

bros & co.株式会社は飲食業界で経験を積んできた高宮成氏と大戸快哲氏が共同代表を務め、ウェブサイトの企画・立案・運営や飲食店経営のコンサルティングを行ってきた。当初から飲食店経営も目標にしており、2017年に一軒家の割烹料理店『神楽坂 夢二』を出店。その後、2021年に板橋で立ち飲み居酒屋『スタンドトトノイ』、2023年にはカツ丼専門店『とんかつ丸七 本店』のフランチャイズ店舗の立ち上げを経て、『コーヨーハイツ』を開業した。

好調に出店を続けてきたが、高宮氏は「コロナ禍以降は人材が集まりにくくなりましたね。営業自粛の影響でこの業界から離れた人が多い中、昔からの慣習で長時間労働になりがちな和食店は特にその傾向が強いです」と語る。

そうした中で同社が取り組み始めたのが、労働環境の改善だ。労働時間は1日9時間に削減。1か月あたりの休暇は8日または12日とし、仕事をしっかり学びたい人やたくさん稼ぎたい人は8日、ライフワークバランスを重視する人は12日と、個々のライフスタイルに応じて選べるようにしている。

少人数で切り盛りできるよう、客席はL字のカウンターのみにした

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労働時間削減を実現させるために行ったのが、調理工程の見直しだ。

「労働時間を減らすには、調理をいかに効率化するかが課題でした。私や大戸は調理のプロではないからこそ、現場をまかせている料理長に“この作業はもっと簡略化できないのか”、“この調理は本当に必要なのか”といった素朴な疑問をぶつけて話し合ってきました。例えば、食材をすり鉢ですりつぶす作業をミキサーに替えたり、長い時間がかかる煮込みを圧力鍋で行ったりと、一つ一つの作業を見直すことで勤務体系を改善しています」

同社ではこれまで店舗の運営方針などをトップダウンで決定してきたが、うまく結果が出なかったという。そこで最近は現場のスタッフとのミーティングを定期的に設け、フラットに話し合い、リアルな意見を吸い上げるようにしている。

「秋田牛すきしゃぶ」(1,650円)

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難波美枝

ライター: 難波美枝

ライター・エディター。プロ向けのフランス料理専門誌の編集部におよそ10年在籍した後、フリーランスに。料理雑誌やワイン専門誌、Webなどで星つきレストランからビストロ、バルまで、幅広く取材。