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“嘘のない面接” で定着率アップ。立川『炭焼き大』のプレジャーカンパニーに若き飲食人が集うわけ

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フードバトルの題材になりやすい差し込みメニュー。各店シェフの腕の見せどころ

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キッチンスタッフのモチベーションは「フードバトル」で刺激

元はプレジャーカンパニー全体の総料理長であり、前職でも『ラ・ボエム』や『権八』など人気店の料理長を歴任してきた行徳さん。その経験を生かした「フードバトル」も特筆すべき施策だ。3か月に1回、商品部のトップが各店の主力メニューや差し込みメニューから10品を試食し、盛り付け、味、皿の温度まで点数化しているという。

「会社が大きくなると、料理の質は疎かになりがちです。一方で、うちは社長の望月をはじめ、美味しいものへのこだわりが強い。フードバトルはキッチンスタッフの評価制度であり、品質管理の一環でもあるんです」

フードバトルの結果は、その場で共有されるほか、年間アワードといった社内イベントでの表彰にも結びつく。スタッフのモチベーションを高め、質の高い料理提供を維持する一石二鳥の仕組みである。

お客の前で仕上げるパフォーマンスが魅力の「和牛 炙り握り」(638円)

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多様なキャリアパスで飲食店の未来を創る

「これまで一般社員のための仕組みは整えてきましたが、来期はマネジメント側の評価制度も強化したいです」と行徳さん。店舗の売上100万円ごとに1万円のインセンティブを基本給に上乗せするなど、従来から結果が評価される制度はあったが、今後はランク制を導入するといった、さらなる拡充を検討中だ。一方で外国人採用にも注力し、フィリピン、ミャンマー、ベトナムからの人材に対する教育システムも整える予定という。

「コロナ禍の影響で出店を控えて既存店を強化してきましたが、今年はM&Aで和牛食べ放題の業態『YAKINIKU A FIVE 徳』を継承するなど、新しい挑戦も増えました。海外での出店準備も進め、国内出店と合わせ、3本柱での成長を目指します」と行徳さん。ホールディングス化も視野に入れ、スタッフがグループ内で新会社を立ち上げ、社長になれるキャリアパスも用意したいと多角的な展望を語る。

「10年前から新卒採用を始め、仕組みを整えてきました。売上は人材やシステムに還元しているため、決算上の利益は少ないですが(笑)。人が成長すれば、会社も成長します」と行徳さんの目は常に未来を見据えている。

「でも、めっちゃ大変なんですよ」と笑う行徳さん。自身もMVVを指針とするからこそ、困難を乗り越えられるのだろう。未来を見越した取り組みは、聞いているだけでもドキドキワクワクするものばかりだった。なるほど、夢を共にする人材が、プレジャーカンパニーに増え続けるわけである。

専門性の高い和食は海外での評価も高そうだ

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『炭焼き大 立川グリーンスプリングス店』
住所/東京都立川市緑町3-1 立川グリーンスプリングス
電話番号/042-512-5800
営業時間/11:00〜22:00
定休日/無休
席数/120

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佐藤 潮.

ライター: 佐藤 潮.

ミシュラン三つ星店から河原で捕まえた虫の素揚げまで、15年以上いろいろなグルメ記事を制作。酒場系の本を手掛けることも多く、頑固一徹の大将に怒られた経験も豊富だ。現在、Webのディレクターや広告写真の撮影など仕事の幅が広がっているが、やはりグルメ取材が一番楽しいと感じている。