飲食店ドットコムのサービス

15坪で月商1,200万円達成。町田の居酒屋『酒とおばんざい いそいそ』オリジナリティの根源とは?

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

代表の小林優樹氏(後列中央)、調香師・醸造家の影山廉氏(後列右端)と店を支えるスタッフの皆さん

画像を見る

東京都町田市、わずか15坪の居酒屋『酒とおばんざい いそいそ』が、開業1年で平均月商1,200万円を達成している。背景にあるのは、小規模でも実現できる独自性の高い酒と料理、それぞれの個性を徹底的に磨き上げた戦略だ。成功の根源を、代表の小林優樹氏と調香師・醸造家の影山廉氏に聞いた。

>>飲食店“専門”の求人サイトだから即戦力が見つかる。社員とアルバイトまとめて19,800円で掲載可!

醸造家×調香師が生み出す個性派ドリンク戦略

大型商業施設やローカルな店が混在し、飲食店の層が厚い町田。その中でも『酒とおばんざい いそいそ』は、町田駅前のバスターミナルからほど近く、スナックや居酒屋が軒を連ねる大和横丁の一角に店を構えている。この界隈では珍しいテラス席がひときわ目を引く存在だ。

「最初の頃は、珍しさに惹かれて入ってきてくださるお客さまが多かったですね」と語る小林氏は、元消防士という異色の経歴の持ち主。退職後、三軒茶屋の人気店『すこぶる』などで腕を磨いたのち、学生時代からの友人3人で、地元・町田に店を立ち上げた。

友人のひとり、ドリンクを担当する影山氏は調香師であり醸造家という、こちらも異色の経歴の持ち主だ。大学院卒業後、香料メーカーを経て、ブルワリーやジンの蒸留所、日本酒蔵など、さまざまな酒造りの現場に携わってきた。そんな幅広い酒の知識に長けた専門家のセレクトだけあり、ビール、日本酒、焼酎、ジン、ウイスキー、ワイン、どれを取っても通を唸らせるラインアップとなっている。

日本酒やクラフトビールは手書きのリストを用意

画像を見る

なかでも力を入れているのが、アサヒスーパードライを使った「アレンジビア」シリーズ。例えば、ベルギーの伝統的な白ビールをイメージした「白ビールタイプ」(715円)は、オレンジピールやスパイス、さらに“秘伝の隠し味”を加えて、軽快で爽やかな香り、なめらかな口当たりに仕上げている。

このほか「黒ビールタイプ」(715円)はドイツビール風、「フルーツビール」(748円)はベルギーやアメリカで作られるサワーエール風のテイストを再現。馴染み深いビールが多彩に変化する驚きに「次はこれも、飲み比べて楽しみたい」など注文は進み、リピーターの獲得にもつながる。

見た目にも華やかなアレンジビア3種

画像を見る

手頃な価格のアレンジビアだけでなく、本格的なクラフトビールも3タップ用意。現在、銘柄は都度入れ替えているが、将来的には自社醸造のビールに切り替える予定という。

さらに「山椒レモンサワー」や「自家製クラフトコーラサワー」(各715円)といった定番のサワーにも工夫が光り、ジャスミン焼酎に茶葉を漬け込み華やかな香りを引き出した「JJJ」(715円)、町田の老舗茶屋「ひじかた園」の茶葉を使った「ひじかた園のほうじ茶割り」(660円)など、お茶割りまで個性的だ。

ひとひねり加えられた定番ドリンクメニュー

画像を見る
Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
河西みのり

ライター: 河西みのり

フリーランスで活動するライター&インタビュアー。現在はソーシャルメディアや業界紙など多岐に渡り執筆。飲食店取材からレシピ本の編集、お取り寄せカタログのコピーまで“食”にまつわる分野を得意とする。