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外苑前『JULIA』naoさんが語る、独学の生存戦略。未経験から高級店のシェフへ【HER TABLE】

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茨城県の生産者のもとへ訪れたnaoさんと本橋さん

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独学シェフの生存戦略。「生産者」というパートナーと、コラボレーションイベント

料理の師匠を持たないnaoさんにとって、最大の師でありパートナーと言えるのが、全国の生産者たちだ。彼女のインプット術は、徹底して「現場」にある。

「食材が良いのは当たり前。私は、その裏にある生産者さんの『顔』と『思い』が見えない食材は使いません。だから、できる限り現地に足を運びます。SNSやLINEで毎日のように連絡を取り合い、畑の動画を送ってもらったり、新作ができたらすぐに教えてもらったり。そうした理由から、メニューの裏には生産者さんの名前をすべて記載しています」

生産者との関係は、単なる取引先ではない。「チーム『JULIA』の一員」として困ったときに助け合える関係性を築いている。また、「#旅するJULIA」と題し、日本全国各地でその土地の生産者や食材と向き合い、現地のシェフとコラボレーションイベントを精力的に開催。何も持たずに現地入りし、その土地の食材と器だけでコースを作り上げる。この即興性と制約こそが、彼女のクリエイティビティを磨く最大のトレーニングとなっているのだ。

カナダでのコラボレーションイベントに参加したnaoさんと本橋さん

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「35,000円」の価値を証明し続ける、世界基準への挑戦

現在の拠点である外苑前の店舗は、1・2階を活用した大規模な空間だ。移転に伴い、コース料金はペアリング込みで約35,000円へと価格改定を行った。一時は「上げすぎたのではないか」と葛藤した時期もあったというが、今は迷いがない。

「安易に価格を下げるのではなく、35,000円以上の価値をお客さまに提供できているかを常に自問自答しています。日本のマーケットだけを見ていては縮小してしまう。私たちは世界中からお客さまを呼べる店になりたいし、ミシュランの星も目指しています」

調理未経験からスタートし、夫婦で小さな食堂を営み、やがて世界中の食通が訪れるデスティネーション・レストランへ。『JULIA』の物語は、既存の枠組みにとらわれない「自由な心」と、それを支える「緻密な戦略」によって、これからも更新され続けていくのだろう。

『JULIA』
住所/東京都渋谷区神宮前3-1-25
電話番号/03-5843-1982
営業時間/ランチ12:00~、ディナー19:00~ ※一斉スタート
定休日/火曜日、不定休
https://www.juliahospitalitygroup.com/

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経て2017年よりフリーライター&編集者として活躍。『食べログマガジン』『Web LEON』『Numero.jp』などで、グルメや旅記事を執筆中。