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月商1000万円! 神田『炉端焼きHOTARU』が明かす“料理提供待ち40分”を強みにする戦略とは

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原始焼きではダイナミックな“塩振り”も。お客を惹きつける魅力の一つ(写真提供:株式会社ao)

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原始焼きの注文率はほぼ100%! “待ち時間”を楽しませる工夫とは?

『炉端焼きHOTARU』の一番人気のメニューは、やはり名物である原始焼きの「浜焼き鯖」(1,980円)で、お客からの注文率は80%を超える。その他「きんき」(2,980円)や「鮎」(1,000円)、「大海老」(1,280円)などほかの原始焼きメニューも人気で、原始焼きメニュー自体の注文率はほぼ100%だという。まずは人気の「鯖らっきょう」(680円)など珍味系のメニューや炉端焼きの野菜などを楽しんでもらい、1時間後に焼き上がった鯖を体験してもらう、というのが定番の過ごし方のようだ。

原始焼きメニューは名物「浜焼き鯖」をはじめ、「きんき」「鮎」「大海老」など旬の食材を中心に数種類をラインアップする

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「初めに時間がかかる原始焼きメニューを注文していただきます。それから、旬の加賀野菜のお漬物の盛り合わせをお通しで出し、人気の『鯖らっきょう』など多数ご用意している珍味系メニューや炉端野菜を食べていただいて、ちょうどいい頃合いに鯖が焼き上がる形です。そして〆に専用の釜炊き機で最高の状態に炊き上げた『釜炊きご飯』(単品680円)を楽しんでいただくのが王道コースです」

人気の早出しメニュー「鯖らっきょう」(680円)。燻製した鯖と刻んだラッキョウを和えている

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時間をかけてじっくり焼き上げるのが原始焼きの魅力だが、同時にそれは待ち時間が長いというデメリットも内包している。たとえば『炉端焼きHOTARU』の場合、一番人気の名物「浜焼き鯖」は鯖自体のサイズが300~400gと大きいため、焼き上がるまでに40~45分の時間を要する。菊地氏も「原始焼き業態の課題はスピード」とみており、同店では接客の力で「待ち時間をどれだけ楽しみに変えられるか」を意識していると語る。

「炉端焼きはお客さまとの距離感が近く、お話することが多いので、焼いているメニューの情報を伝えるなどしっかりコミュニケーションを取るようにしています。お客さまの好みの焼き加減にも変えられるので、たとえば山芋なら、しゃっきり感を残した方がいいか、しっかりやわらかく焼いた方がいいか、それとも料理人のおすすめの焼き方がいいか……など、会話をすることで私たちのお客さまに楽しんでいただきたい気持ちをしっかり伝えられたらいいなと考えています」

名物の原始焼きの「浜焼き鯖」。お客の8割が注文する人気メニューだ(写真提供:株式会社ao)

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スタッフのコミュニケーションレベルを高い水準に保つため、同店では毎朝、朝礼で必ず持ち回りで商品知識のロールプレイングを行っている。それにより、ロープレを担当した当人はもちろん、聞いている各スタッフの引き出しも増える効果があるようだ。

「今日は料理長、今日は店長、という感じでローテーションを回しています。スタッフごとに言い方は異なるので、『その言い方、いいね』とか『そういう言い方もあるんだ』と、それぞれが毎日引き出しを増やしていけるのも当店の強み。ただ料理を食べていただくだけではなく、スタッフとの会話やそこで得られる商品知識も楽しんでもらいたいです。素材にこだわることは他店でもやっていることなので、じゃあどこで差が出せるかというと、やはりサービス。プラスアルファの思いやりや気遣いの部分、何より『この一期一会を大切にしたい』という強い思いです。そういうところで違いが出せるかなと考えています」

メニューは毎日手書きで作成。炉端焼きの人気メニュー「熟成ベーコン」(1,800円)は徳島大学の学生が飼育、熟成した豚肉を使用している。数量限定で、1日に5~10品程度を提供

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カウンター席同様、テーブル席のお客に対してもトークは重要という菊地氏。接客の力で、いかに待ち時間を感じさせないかが重要だとみている。

「人によりサービスのスタイルや強みは違いますが、私の場合はお客さまと友達のように仲良くなる距離の近い接客が強みです。私が日本酒の仕入れ担当なので、日本酒の商品知識を説明するとか。また、テーブル席は焼いているところが見えない分、より待ち時間が長く感じてしまうと思うので、テーブル状況は常に全スタッフ間で共有できるよう心がけています」

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河鰭悠太郎

ライター: 河鰭悠太郎

食とエンタメのフリーライター。業界紙、一般情報誌、エンタメニュース編集部などを経て2017年に独立。現在はフリーランスとして取材、執筆、撮影、校正まで手掛ける。ラーメン取材の経験が豊富で、現在も定期的にラーメン店の仕込みを取材。ラーメンとタイ料理好き。趣味はラーメン作りとムエタイ。