目黒『NOON』、カフェとレストランの二刀流で街の顔に。長く愛される“引き算の経営術”とは
目黒駅のほど近くに、若者やオフィスワーカー、地域住民など多様な人々が入り混じる独特の景色がある。1階はエッジの効いたアジア料理を楽しめるレストラン『NOON(ヌーン)』 、階段を上がった2階にはカフェ業態の『PARLOR NOON(パーラー・ヌーン)』が店を構える。レストランは週末を中心に予約で埋まり、カフェは平日の昼間から行列が絶えないほどの繁盛ぶりだ。
これらの空間を手掛けるのは、DINER DIRECTION(ダイナーダイレクション)を率いる吉田健太郎氏と吉田康太郎氏の兄弟。弟・康太郎氏へのインタビューを通じて、彼らが実践する「食×デザイン×カルチャー」を掛け合わせたブランディングの真髄と、高い熱量を維持し続ける持続可能な飲食店経営のありかたを探った。
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欧米の模倣ではない「独自のフィルター」を通した、新しいアジアの表現
吉田兄弟の感性の礎は、幼少期に過ごしたアメリカ、そして学生時代を過ごしたロンドンやニューヨークにある。兄・健太郎氏は武蔵野美術大学でインテリアデザインを学び、弟・康太郎氏は学生時代から人気カフェの現場で研鑽を積んだ。
2018年、地元・横浜に近い新丸子にオープンした『BIG BABY ICECREAM(ビッグベイビーアイスクリーム)』が彼らの出発点だ。「3世代で楽しめるアイスクリームダイナー」というコンセプトのもと、地域性を掛け合わせた店舗は人気店となった。その成功を携え、次なる挑戦の舞台に選んだのが目黒だ。
「僕は、イギリスやアメリカに住んでいたこともあり、欧州や米国の文化はもちろん好きでリスペクトを持っているのですが、同時にアジアの良さも再認識しています。ありがたいことに『BIG BABY ICE CREAM』を開業してから様々なアジア諸国の友人が増え、毎年アジアの国々に旅行をしてリアルなアジアの文化に触れています。特にアジアの国の友人たちは、アジア料理も食べますが、フレンチ料理やイタリアン、インド料理も食べるしピザも食べるし、コーラやお茶、ラテも飲む。とにかくミックスされた食文化でした。こうした体験により、お店というフィルターを通して“新しいアジアの基準”を提示したいと考えました。欧米や韓国や中国、台湾、日本などのアジアを単にコピー&ペーストするのではなく、今のアジアのミックスされた文化や食を表現したいというのが『NOON』の根幹にある『NEW ASIAN STANDARD』という考え方です」
彼らが重視するのは、言葉による説明を重ねる形容詞過多なブランディングではない。席の配置、動線、提供される体験。そのすべてに「一貫性」を持たせることで、無意識のうちにブランドを体感させる手法を徹底している。



