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目黒『NOON』、カフェとレストランの二刀流で街の顔に。長く愛される“引き算の経営術”とは

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2階に位置する『PARLOR NOON』。アフォガードやプリン、パフェやスイーツが人気だ。 写真提供:DINER DIRECTION

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目黒の空白「夜カフェ」に挑戦。1、2階でシナジーを発揮

『NOON』を特徴づけているのは、1階のレストランと2階の『PARLOR NOON』が連動した店舗構成だ。

「路面店である1階は、街に対して開かれた存在。過剰に主張せず、設計もシンプルに留めています。一方で2階の空中階は、わざわざ階段を上がってドアを開けるというアクションが必要になる。だからこそ、ある程度のキャッチーさを持たせ、目的来店を促せる商品力を意識して設計しました」

目黒周辺には「夜にしっかりお茶ができる場所」が少なかった。そこに目をつけ、22時半まで営業する夜カフェとしての機能を2階に持たせた。その結果、1階で食事を終えたお客がそのまま2階へ流れる、あるいは2階のパフェなどのスイーツを目当てに来たお客が1階の存在を知るといった相互送客が自然発生している。

カウンター 4席、テーブル席12席の計16席からなる1階の『NOON』

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客単価は1階のディナーが約6,000円、2階のパーラーは約1,300円。『NOON』に関しては週末のディナーは17:00と19:15の2回転を基本とし、予約を軸に稼働を安定させている。一方で平日はハッピーアワーを試作し、様々な年代を取り入れる。

「スタッフが行き来できるメリットも大きいですね。忙しい時間帯に応じて柔軟に人員を配置できる。1、2階で異なる機能を持たせながら、一つのパッケージとして運営することで、体験の幅を広げつつ、オペレーションの効率も高めています」

ゴマだれと自家製ラー油を添えた「水餃子」(1,360円)

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ナチュールからマッコリへ。要素を削ぎ落とし寿命を延ばす「メニュー開発」

『NOON』のメニューは、どこか懐かしくも新しい。「ヤンニョムチキン」や「ポッサム」といった直球のアジア料理をベースにしながら、そこには独自の“ひねり”が加えられている。

例えば、人気メニューの「エビマヨ」は、満足度が高まりすぎて他のメニューへの箸が進まなくなることを防ぐため、衣を薄くサクサクに改良。ソースには柚子はちみつを用いて、軽やかな後味を追求した。

「メニュー開発で意識しているのは、複雑化させすぎないこと。アジアの旨みは直球であるほうがおいしいですから。試作には時間をかけますが、最終的にはデザインと同様に『引き算』を徹底します。要素を足しすぎるとお店の寿命を縮めてしまう。長く愛される『新定番』を作ることが僕たちのテーマです」

「ヤンニョムチキン」(1,790円)はソースにトマトピュレや新潟のかんずりを使用。砕いたピスタチオを振りかけ、揚げたトッポギをトッピングしている

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ドリンクのラインアップにも変化があった。かつてはナチュラルワインを主軸に据えていたが、現在はマッコリなどアジアの酒に再編している。

「どこに行ってもナチュラルワインがある状況の中で、自分たちが本当にやりたい表現は何か。そう考えたとき、アジアの風土に合ったお酒をワイングラスなどで楽しく飲める構成のほうが面白いと感じたんです」

こうしたアップデートは、四半期ごとのルーティンではなく、現場の課題や売れ行きに応じて都度実施される。社員やアルバイトが投稿する「アイデアボード」も参考に、改善が即座に反映されるスピード感も『NOON』の強みだ。

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経て2017年よりフリーライター&編集者として活躍。『食べログマガジン』『Numero.jp』などで、グルメや旅記事を執筆中。