渋谷の人気ビストロ『PEZ』の利益率を大幅改善! “新米”店長のこれまでの軌跡に迫る
休日はワインバーへ。生粋のワイン好きが見せる素顔
現場を離れて英気を養う休日、永井さんはどのように過ごしているのか。仕事のストレスを発散するためにまったく違う趣味に走るのかと思いきや、彼の答えは拍子抜けするほどシンプルで、飲食への愛に溢れていた。
「休みの日は、ワインや日本酒を飲みに行きます。近所にあるワインバーがすごくかっこよくておいしいんですよ。まあ、最近はワインの価格が高騰していて、なかなか頼みにくいボトルも増えてきてますけど(笑)」
結局のところ、彼は生粋の「ワイン好き」なのだ。ファッション業界で培った「かっこいい空間への憧れ」は、今も彼の中に根付いている。GREENINGという会社に惹かれたのも、インディペンデントな個人店のような尖ったブランドから、大型商業施設に入る洗練された店舗まで、多様な「かっこよさ」が混在していたからだという。
「うちぐらいの会社の規模で、個人店みたいな店舗があるのが面白いし、大きい店舗があるのも面白い。働く人の価値観が違う店舗間で交流する可能性があるのもいいなって。かっこいいお店で働きたい、かっこよくしていきたいっていう思いに共感できる部分が大きかったんです」
休日の何気ないインプットが、そのまま現場でのアウトプットにつながる。かつてファッションで自己表現しようとしていた青年は、今、グラス一杯のワインと気の利いた会話で、目の前のお客を魅了している。穏やかな笑顔を見せる姿から、彼がいかに今の環境を楽しんでいるかが伝わってくる。
利益率を大幅に改善。経営者視点を持った男が見据える「その先」
2026年5月、永井さんは正式に『PEZ』の店長に就任した。彼が現在、最も熱を注いでいるのが「数字の改善」である。
「売上が好調な日でも、利益率に課題を感じることが多かったんです。まだまだ非効率な部分が多いと感じ、人件費と原価の徹底的な見直しに踏み切りました」
GREENINGは、アルバイトの残業に依存するのではなく、正社員中心でシフトを構成する体制をとっている。永井さんはこの環境を活かしつつオペレーションを見直し、平日は4人で回すなど適正なシフトを組み直して無駄な残業を削減。さらに、魚介類メインでブレやすい原価も、おかしいと思えば何度でも計算をやり直し、細かくコントロールした。結果、クオリティや顧客満足度を一切下げることなく、利益率を大幅に引き上げることに成功したのである。
「利益率を上げるといっても、料理のクオリティを落とすようなことは絶対にやりません。だからこそ、品数や価格設定、オーダーの取り方などを工夫して、お客さまの満足度はそのままに原価率を改善しています」
かつて「ただ飲食が楽しかった」からアルバイトを続けていた青年は、今や立派な経営者の視点を持っている。
「将来的には、5年後、10年後に自分の店や会社を立ち上げたいと思っています。だからこそ、今はGREENINGが新しいお店を出すタイミングで、立ち上げからガッツリ関わって経験を積みたいんです。めちゃくちゃ忙しいですが、数字を見て『次はどう仕掛けようか』と考える刺激が、今の僕の原動力ですね」
30代からのスタートでも、決して遅すぎることはない。遠回りした20代の葛藤があったからこそ、彼は誰よりも深く現場の空気を読み取り、同時に冷静な目で数字と向き合うことができるのだ。
『PEZ(ペス)』
住所/東京都渋谷区宇田川町37-14 B1F
電話番号/03-6407-0271
営業時間/17:00~23:30
定休日/日曜
坪数・席数/約19坪・26席
https://www.instagram.com/_pez.pez.pez/












