学芸大学『喫酒さりんじゃ』に学ぶ「体験価値」の高め方。料理も内装も“ありそうでない”を追求
ワインは置かず、下町感を覗かせる茶割や焼酎で勝負
一方、ドリンクは、幅広い客層に対応すべく、下町感を大事にしながら独自性も光らせている。家庭用の茶パックを使った「茶割」と、「山椒ハイボール」や「ほうじ茶ウイスキー」などが人気だ。近隣にナチュラルワインの専門店などがあることから、ワインはあえて置かず、焼酎のラインアップを強化。女性客向けに、香り系の焼酎や、「赤屋根」などのクラフト蒸留酒も取りそろえる。お酒の専門的な説明は店主が必要に応じて行うに留め、お客が気楽に楽しめる雰囲気を重視している。
物件がもつ時間の重さに、アパレルで培ったセンスを溶け込ませ、唯一無二の空間に
質の高い手づくりの料理と、個性あるドリンクの数々。その体験価値をさらに高めているのが、「古さ」をテーマにしながらも「ありそうでない」雰囲気を重視した店舗デザインだ。長年営業していた元そば店の「味のある雰囲気」を残しながらリノベーションし、飴色のカウンター天板や、廃材を活用した自家製のランプシェード、格子状の桟で補強した壁など、一部DIYもしながらディテールにこだわった居心地のよい空間を作り上げている。
客席はカウンターをメインに、ゆったりと過ごしてもらうため時間制限は設けていない。夏山氏の理想は、地元の人が週に2~3回来られる店。ひとり客の深夜食堂的な使い方も大歓迎だという。
現在、客単価は4,000円で推移し、7.5坪で月商220万円と売上は好調だ。今後は、人材を確保して昼営業なども視野に入れつつ、「仕込み不要のカラオケバー」といった新業態にも興味を覗かせる夏山氏。地域に根を張りながら、新たな店づくりを模索する『喫酒さりんじゃ』の次なる一手に注目だ。
『喫酒さりんじゃ』
住所/東京都目黒区鷹番2-19-3山下店舗1F
電話番号/03-5724-3104
営業時間/18:00〜24:30(LO23:30)
定休日/水曜日+不定休
坪・席数/7.5坪・18席
https://www.instagram.com/kissa.salinja/












