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肉王・亀田興毅が語る「知られざるコスパ最強店」と、飲食店が“肉戦争”を生き抜く極意

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「食べログ」のグルメ著名人としても活躍する亀田興毅さん

グルメサイト「食べログ」が2016年から始めたサービス、「グルメ著名人」。食通として知られる各界の著名人が、専用ページでお店の感想を発信し、注目を集めている。そのグルメ著名人の中でもひときわ存在感を放っているのが、ボクシングの元世界王者・亀田興毅さんだ。

彼の専用ページ「肉王への道~漢は黙って肉々しく~」は、肉に関する豊富な知識、そしてウィットに富んだ内容が人気を博し、フォロワー数は1万6000人超え、訪問者数は10万人に迫る勢いだ。現役ボクサー時代、減量のため厳しい食事制限に耐えてきた亀田さんだけに、「せっかく口にするなら美味しいものを」というこだわりは人一倍強い。そんな亀田さんに、数多くの飲食店を渡り歩いてきた視点から、これからの飲食店に必要なものは何かを語っていただいた。

食べるプロテイン「赤身肉」に熱い視線

まずはとくに造詣の深い焼肉業界について話を聞いた。焼肉業界も細分化し、オリジナリティあふれる料理を提供する店が増えているが、全体のトレンドとしてはどのようなものが人気なのだろうか。

「トレンド? 赤身の肉ちゃうかなぁ。もともと世の中全体がヘルシー志向じゃないですか。健康に気を遣う世の中になっているので、脂の少ない赤身の肉は人気やと思いますよ。薄切りの赤身をサッとあぶったくらいが一番美味しい。最近人気の鹿も赤身の肉ですよね。赤身は代謝をあげるので自然と痩せやすい体になるし、筋肉にもいい。まさに食べるプロテインです。100歳まで生きている知り合いがいるのですが、その人がいつも頼むのは赤身のヒレ肉のステーキなんです。長寿の人で肉食べている人は多いです。自分は長生きの秘訣に赤身の肉があるんじゃないかなぁって思います」

「焼肉は焼き方が大事」と亀田さん

A5ランクの肉は「美味しい肉」の代名詞のように語られているが、「美味しい」の価値観も時代とともに変化を遂げている。今後はサシの少ないA2やA3の肉も需要が高まっていきそうだ。ちなみに、数多くの焼肉店に足を運んだ亀田さんがチェックしているポイントとは?

「肉そのものは等級が同じであれば大体どこも一緒ですし、素人が食べてもあんまり違いはわからないと思います。となると大事なのは焼き方です。最初に焼き方を教えてくれるか、お店のスタッフが焼いてくれるお店がいいですね。でもそれが良い店の絶対条件とは限らないです。川崎の『北京』はホンマに美味しい肉をバンバン出してくれるけど、焼き方を聞いても『好きに食べて』って言って教えてくれないですからね(笑)。でもあそこはいつも行列ができています」

たくさん焼肉店がある中で行列のできるような人気店は何が違うのだろうか。

「顧客目線で『この店また行きたいな』って思わせる店じゃないですかね。飲食店が美味しいのは当たり前じゃないですか。美味しくなければ潰れますからね。本当に焼き肉屋さんで生き残っていこうと思ったら、大事なのは接客です。僕は接客7割、味や雰囲気などを3割と考えています。お店の人と友だちになって飲み過ぎたり、『あそこは居心地ええな』と思ったりしたらまた行きたくなりますよね」

接客だけでなく、彼はお店で使用されるトングにも注目しているという。「トングがギザギザな店は絶対にアウト。ギザギザが肉の表面を傷つけて、血と一緒にうまみが全部流れ出てしまう。肉を愛している店主ならツルツルのトングを使っているはずです。ちなみにこれは最近、我が肉の師匠、フォーリンデブはっしーさんに教えてもらいました。僕はいいものはすぐに真似します(笑)」と亀田さん。肉を愛する者同士、情報交換も盛んのようだ。

これまでで特に印象に残った肉料理を見せてくれる亀田さん

コストパフォーマンス最高。普段使いできるお店ベスト3は?

亀田さんは、お店選びには「コストパフォーマンス」も重要なポイントだと語る。

「高くて美味しいのはハッキリ言って当たり前です。どんな店であれ、値段以上に価値のあるものを食べられたら嬉しいじゃないですか。僕は半年前から予約するような有名店にも足を運びますが、全然知られていない掘り出しもののようなお店や、気取らないカジュアルなお店も好きです。すごくコスパがいいのに、予約せずにパッと入れるお店は、普段使いに重宝しますよね」

そんな亀田さんお気に入りの、「コストパフォーマンスに優れた知られざる焼肉の名店」ベスト3を伺った。

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三原明日香

ライター: 三原明日香

編集プロダクションに勤務し、フリーライターとして10年以上活動。ふとしたことから労働基準法に興味を持ち、4年間社労士の勉強に打ち込む。2014年に試験に合格し、20年4月に開業社労士として独立した。下町の居酒屋で出されるモツ煮込みが好物。