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肉王・亀田興毅が語る「知られざるコスパ最強店」と、飲食店が“肉戦争”を生き抜く極意

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「通い続けるにはコスパの良さが欠かせない」と語る亀田さん

焼肉戦争を生き残るために大切なこと

数々の店を見てきた亀田さんだが、「店側と客側」の意識に温度差を感じることもあるようだ。

「例えば、タンって昔は安かったでしょう。それが近年、人気が出て値段が上がってきています。だけど客側はそれを知らないし、なるべく安く食べたいので『なんでこんなに高いんや?』と不満に思ったりします。でも本当はタンは、牛一頭から2キロくらいしかとれない超希少部位。ホルモンもめちゃくちゃ安いと思われているけど、今は和牛のホルモンは全然手に入らない。その認識の違いが温度差になっています。店側は食べる人がわかるように『今はタンは高いんやで』とか『ハラミってこういうものやで』って伝えることも大事だと思います。そして、この焼肉戦争で勝ち残りたいのであれば、店側もどんどん情報発信をしていかなければなりません。今はSNSやメディアを使ってなんぼでも発信できるので、うまく使っていったらいいんじゃないですかね」

確かに、昨年は牛タンの値段が高騰し、仕入れ価格が前年比で2倍以上になったケースもあると報じられた。牛肉の卸売り価格の変動もそうだが、飲食店にとっては“当たり前”のことでも、客側からは見えにくかったり、わかりにくかったりすることが多い。そういう情報を発信していくこで、客からの理解や共感を得る努力をすることも大切なことだろう。

「飲食店もボクシングと同じです。強い選手がたくさんいる中でいかに注目してもらうかを考えなければなりません。僕の場合はビッグマウスや派手なパフォーマンスで『なんやコイツ』って目を引き、ヒール役としてメディアに取り上げてもらうことができました。飲食店も売れるためにはそういう努力が必要です。美味しいのは当たり前だし、黙っていて客が来る時代じゃない。まだまだ改善すべきところはあるはずです。進化を諦めたらそこで終わり。日々鍛錬できる店だけが生き残っていけると思います」

かつては「浪速乃闘拳」と呼ばれた亀田さんだが、今は肉に対して闘志を燃やしている。彼の肉王になるための挑戦はまだ始まったばかりである。肉食の頂点を極め「どんなもんじゃい!」と吠える瞬間が今から楽しみだ。

肉の世界でもチャンピオンを目指す

亀田興毅(かめだ こうき)
元プロボクサー。亀田三兄弟の長男。テレビのバラエティー番組や様々なイベントに出演等、多岐に渡る分野で活躍中。現在は弟・和毅(ともき)が所属する協栄ボクシングジムでトレーナーとして後進の指導にもあたっている。趣味は全国各地の焼肉食べ歩き。三児の父親でもある。

■食べログ「肉王への道~漢は黙って肉々しく~」
https://tabelog.com/rvwr/kokikameda/

Photographs/Hiroyuki Uchiumi

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三原明日香

ライター: 三原明日香

編集プロダクションに勤務し、フリーライターとして10年以上活動。ふとしたことから労働基準法に興味を持ち、4年間社労士の勉強に打ち込む。2014年に試験に合格し、20年4月に開業社労士として独立した。下町の居酒屋で出されるモツ煮込みが好物。