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グーグル出身者が作る最先端カフェがすごい理由。ITの力で提案するコーヒーショップの未来

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高速Wi-fiが整備された店内はノマドワーカーにも好評だ

コーヒーの定額制サービスの狙いは?

『アルファベータコーヒークラブ』の大きな特徴は、コーヒーの定額制サービスを導入していることだ。普通に頼めば1杯500円のコーヒーが、月額7500円でボトムレス(飲み放題)となる。月に15杯以上飲めば元が取れる計算だ。定額制にするメリットとは何だろうか。

「このカフェはコミュニティスペースのような使い方をしていきたいので、リピーターを大事にしたいと考えています。自由が丘に住んでいたり、働いていたりする人に対して特典を作ることで、『いろんなカフェに行くより、ここをメインにしたらどうですか』という提案ができます。私たちも会員とコーヒーを共有しながら良いつながりを作っていきたいし、その中からコラボもどんどん生まれると思っています。先日は会員である大学院の講師と組んで、学生を支援するセミナーを行ったんです。そんなふうに一杯のコーヒーを通して、いろいろなことが展開していくのが楽しいですね」

定額制にすることで赤字になることはないのか聞いたところ、「コーヒーは原価がそんなに高いものではないし、一日何杯も飲めるわけではないので、会員全体で見ればバランスがとれると考えている」とのこと。あえて人の多い都心ではなく、自由が丘を選んだのは、ゆったりとコーヒーを飲み、会員同士でコミュニケーションを楽しむという雰囲気に適しているからだそうだ。

コーヒーは1杯500円

Win-Win-Winの営業を目指して

最後に、今後の展開について考えていることを聞いてみた。

「僕の古巣であるグーグルのスローガンは、「Do the Right Thing(正しいことを行え)」でした。自分のビジネスのことだけ考えるのではなく、周囲の人や社会に対しても良いことをしようというのがグーグルの考え方です。自分のビジネスにとってもいいし、誰かの支援にもなり、社会貢献もできる。そんなWin-Win-Winのことを探してやっていきたいんです。ロースターやアーティストを探して店で紹介するのもその一環です。先日は、ドリンク1杯の注文につき、途上国の子供たちに本を一冊プレゼントする『Beer for Books』というイベントにも参加しました。これからも、コーヒーを通じていろいろな出会いやコラボが生まれる空間を育てていきたいです」

最先端のテクノロジーを駆使した快適さと、人を大切にするアナログ的な心地よさが同居しているのは、『アルファベータコーヒークラブ』の唯一無二の魅力かもしれない。

将来的には多店舗展開も計画中

大塚ケビン(おおつか けびん)
スタンフォード大学を卒業後、グーグルのアジア太平洋地域におけるデジタルマーケティングの責任者を務める。本社で1年、日本で3年勤務。サイドビジネスとして2014年に会員制のコーヒー豆通販サービス『ABC COFFEE CLUB』を立ち上げる。その後独立し、自由が丘に『アルファベータコーヒークラブ』をオープンした。現在2店舗目を検討中。

『Alpha Beta Coffee Club(アルファベータコーヒークラブ)』
住所/東京都目黒区自由が丘2-10-4 ミルシェ自由が丘 3F
電話番号/03-5726-8433
営業時間/7:00~23:00(月~金)、10:00~23:00(土・日・祝)
席数/店内32席、テラス約20席
定休日:無休
http://www.alphabetacoffeeclub.com/

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三原明日香

ライター: 三原明日香

編集プロダクションに勤務し、フリーライターとして10年以上活動。ふとしたことから労働基準法に興味を持ち、4年間社労士の勉強に打ち込む。2014年に試験に合格し、20年4月に開業社労士として独立した。下町の居酒屋で出されるモツ煮込みが好物。