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たむらけんじ流の飲食店経営術「結局は人や」に学ぶ。欲しい人材はロンブー淳?

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食中毒事件で見せた覚悟「全ての責任は自分」「嘘はつかへん」

覚えている方も多いでしょうけど、2008年7月に『炭火焼肉たむら』で食中毒事件がありました。当時、僕は獅子舞を持ってサングラスに上半身裸のスタイルでテレビに出ていたんですけど、その時はスーツを着て謝罪会見に臨みました。被害者の方がいらっしゃったし、あそこは芸人たむらけんじではなく、経営者たむらけんじで謝らなあかんと思ったんで。僕が服を着てテレビに出たのを、その時に初めて見た方もいるんじゃないでしょうか。

じつは食中毒4人っていうのは(法令上)申告しなくてもいいんですよ。だけど隠してたと言われるのは嫌だったし正直でありたいと思っていたから、「いや、公表しよう」と。それで僕はあそこで何を聞かれても知らないことは知らない、知ってることはすべて話す、で、絶対に部下のせいにしない。全ての責任は自分にあるという所を、本当にそう思ってたから、それを伝えることだけ決めてました。なので僕はあの時、(食中毒の原因となった)カンピロバクターっていうのも正直知らなかったって、はっきり言ったんです。

そうした姿勢が結果的に社会の信用を得ることになったと、今になって言うてくれる人もいますが、僕には分かりません。確かに、あそこで嘘ついたり、保身に走ったりしていたら終わってたかもしれないですね。ただ、僕からすれば一貫して嘘つかへんって決めてますから。今も嘘つかないです。だから、それで信用を得たとか考えたことはありません。

食中毒事件は僕の失敗ですけど、従業員も仕事での失敗はあります。僕が従業員にいつも言ってるのは「失敗はしゃあない。失敗した後にどうリカバリーできるかが人としての価値を決めることもある。失敗した後にもっと頑張りなさい」ということです。たとえば提供が遅れた時に、どう謝るのか。その謝り方によってお客さんも「ここまでやってくれんねや」っていうことで(失敗のマイナスから)プラスに変わる可能性もあります。だから失敗はしゃあないんですよ。そら、するなって言うてもしますから。そんなとこ叱ったって、やった本人が一番分かってるし、そこを責めてもしゃあない。その後、頑張れ。そこやと思います。

「失敗した後のリカバリー力が大切だ」と語るたむらさん

芸人の第二の人生の受け皿、息子が継ぎたいと思う会社に

僕はあくまでも芸人が本業で焼肉屋は副業にしようと思ってたんですが、焼肉屋がどんどん大きくなってきて副業という考え方では、たち行かへんようになってるなという部分もあるんで、今は両方本業にしようと思ってます。焼肉屋も本業、芸人も本業。副業と考えていた時期は、ゲームのような感覚がありました。毎日、店に来て、売り上げ持って帰って、それを次の日に自分で銀行に持って行って入金してということをやってたんですわ。やっぱり売り上げなんで、どんどん貯まっていくじゃないですか。あんまりリアルな感じがしないんですよね。ゲームのお金みたいな。桃太郎電鉄のお金みたいな感じで、ごっつい何億って貯まりますけど、あくまでもゲームの中のお金じゃないですか。そんな感覚やったんです。でも、こんだけ店を広げるとゲーム感覚ではできなくなりました。

今後の展開ですか。まずは『炭火焼肉たむら』が協賛しているフットサルの「第8回たむけんCUP」(7月30日)を成功させたい(笑)。そのことは置いといて、焼肉店としては東京はまだ進出してないけど、そういうお話があれば行きます。それと今は自動車の販売も始めました(たむけんのくるま屋さん「フィッシュブル」)。僕、この会社(炭火焼肉たむら)を含めて芸人さんが辞めた時の、受け皿になりたいんですよ。自動車の会社も元ガンバ大阪でGKやってた子と一緒に会社をつくってやってるんですけど、そこでもサッカー選手の第二の人生を応援したいって言ってます。志半ばで辞めた芸人さんてすごい能力持ってる子ばかりやと思ってるし、でも芸能界は運が必要な世界で、それに恵まれへんかった子は辞めていかなあかん世界でもあるんです。そういう子らの能力を経営とかビジネスの地で生かしてもらえたらなと思います。あと、僕、息子がいてるんですけど、その子が継ぎたいと思うような会社になってくれたらええかなと思ってます。

たむらけんじ
1973年5月4日、大阪府阪南市生まれ。本名・田村憲司。1992年NSC大阪校11期生、同期に陣内智則、ケンドーコバヤシらがいる。当初はコンビ「LaLaLa」として活動していたが、1999年からはピン芸人となった。2001年に東京に進出し、持ちネタ「ちゃー」で人気を博した。2003年に拠点を大阪に戻す。2006年に義母が経営していた焼肉店を譲り受けて『炭火焼肉たむら』の経営に携わる。現在は自動車販売業も行うなど実業家として活動しつつ、芸人としてもテレビのレギュラー等を持ち幅広く活動している。

焼肉店以外にも事業を拡大中

『炭火焼肉たむら 蒲生本店』
住所/大阪市城東区中央1-8-30
電話番号/06-6932-8139

『炭火焼肉たむら 別邸栄店』
住所/名古屋市中区錦3-24-4 SUNSHINE SAKAE 6F
電話/052-310-1029

『炭火焼肉たむら 徳島駅前店』
住所/徳島市一番町1-14-1 藤本ビル1F
電話/088-625-0616

『炭火焼肉たむら 長崎店』
住所/長崎県西彼杵郡時津町野田郷48-13
電話/095-882-8916

『炭火焼肉たむら 市立吹田サッカースタジアム店』
住所/大阪府吹田市千里万博公園3-3
※ガンバ大阪のホームゲーム開催日のみ開店

『炭火焼肉たむら ホノルル店』
住所/ハワイ州ホノルル市アラモアナ大通り1450 ハワイアラモアナショッピングセンターフードコート「SHIROKIYAジャパンビレッジウォーク」内

『炭火焼肉たむらのお肉が入ったカレーパン屋さん 天満店』
住所/大阪市北区天神橋4-8-23
電話/090-2707-8753

『炭火焼肉たむらのお肉が入ったカレーパン屋さん 新世界店』
住所/大阪市浪速区恵比寿東3-2-19 我が家ジャン横店内
電話/06-6643-9254

『炭火ステーキたむら』
住所/兵庫県洲本市海岸通1-3-11 海月館1階
電話/0799-22-1100

■炭火焼肉たむら オフィシャルホームページ
http://www.yakiniku-tamura.com

<第8回たむけんCUP(フットサル)>
開催日/2017年7月30日(日)9:00~16:30(予定)
会場/もりのみやキューズモールBASE内 オアシスフットサルパーク(大阪市中央区森ノ宮2-1-70)
主催/株式会社ジャパンフットボールマーチャンダイズ
試合方式/予選リーグ開催後、順位決定トーナメント、全試合10分1本、全チーム5試合予定
優勝賞金/10万円
参加費/1チーム2万円
参加資格/高校1年生以上、女性は初心者のみ出場可、1チーム5人以上12人以下で構成

『炭火焼肉たむら』が協賛するフットサル大会

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松田 隆

ライター: 松田 隆

青山学院大学大学院法務研究科卒業。ジャーナリスト。スポーツ新聞社に29年余在籍後にフリーランスに。「GPS捜査に関する最高裁大法廷判決の影響」、「台東区のハラール認証取得支援と政教分離問題」等(弁護士ドットコム)のほか、月刊『Voice』(PHP研究所)など雑誌媒体でも執筆。ニュース&オピニオンサイト「令和電子瓦版」を主宰:https://reiwa-kawaraban.com/