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飲食店のテイクアウト、夏場は「食中毒」に注意。予防3原則に基づいた対策方法

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画像素材:PIXTA

新型コロナウイルスの影響で、テイクアウト販売を始めた店舗も多いだろう。テイクアウトは調理から客が食べるまで時間が空くため、いつも以上に衛生面に気を配らなければならない。

特にここ最近は気温が上昇し、食中毒のリスクがさらに高まっているため、地方自治体からもテイクアウトを行う飲食店に対し注意喚起が出されている。そこで今回は、テイクアウト販売を行う上での注意点を改めて確認していきたい。

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食中毒予防の3原則を意識した衛生管理を

飲食店の食中毒予防で大切なのが、食中毒の原因となる菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」ということ。この3つは「食中毒予防の3原則」と言われ、テイクアウトの食中毒対策においても欠かせない考え方となっている。

では、具体的にどのような対策を行えば良いのだろうか。「食中毒予防の3原則」に基づいた、テイクアウトの食中毒対策を紹介していく。

■食中毒予防の3原則「つけない」
食中毒の原因となる菌は、調理スタッフの手指や調理器具を介して広がってしまうため、徹底した手洗いが欠かせない。調理前はもちろん、肉・魚を触ったあとや盛り付け前なども手洗いをすべきタイミングだ。

調理器具も洗浄や消毒を徹底し、食材に菌がついてしまわないようにしよう。まな板は、肉や野菜など、食材ごとに使い分けて二次汚染対策を。盛り付けの際は、食材に素手で触れないよう、箸や使い捨ての手袋などを用いるのが好ましい。

また、スタッフに発熱や下痢、嘔吐などの症状が見られる場合は、無理をさせずに休ませるようにすることも大切だ。日ごろからスタッフの体調に気を配ることで、万が一のリスクを避けることにつながる。

画像素材:PIXTA

■食中毒予防の3原則「増やさない」
食中毒の原因となる菌が好む温度は、20℃~50℃と言われている。そのため、できあがった料理を常温で長時間放置しておくことは、菌を増やす手助けをしてしまうことになる。調理後は10℃以下または65℃以上の適切な温度で保存するとともに、迅速に客に提供できるよう努めてほしい。

温かいものと冷たいものを同じ容器に詰めることも、菌が増えやすい状態を作ってしまうので注意が必要だ。放冷が必要な料理に関しては、小分けにするなどし、速やかに冷やすようにしよう。

また、食中毒菌の増加を防ぐためには、客の協力も欠かせない。テイクアウトした料理をできるだけ早く食べてもらえるよう、客に商品を手渡す際に声がけをしたり、容器に消費期限のシールを貼るなどして注意を促そう。調理後2時間以内が、料理を食べる目安と言われている。必要であれば、テイクアウト用の保冷剤なども用意しておくと良いだろう。

■食中毒予防の3原則「やっつける」
食中毒の原因となる菌の多くは、加熱することで死滅するため、加熱調理が必要な料理は、しっかりと中まで火が通るようにすることが大切だ。中心部を75℃で1分以上加熱するのが一つの目安と言われているので、調理の際は意識して欲しい。なお、肉や魚などの調理で使用した調理器具は、使ったあとに熱湯などで消毒をし、菌をやっつけることも忘れずに。

またテイクアウトでは、加熱をしていない「生もの」や、加熱が十分でない「半生状態のもの」など、食中毒のリスクが高い料理の提供は避けるべきとされている。新たにテイクアウトメニューを考える際は、食中毒のリスクが少ないかどうかという点も考慮してほしい。

外出自粛期間中でも、気軽にプロの味を楽しんでもらえるテイクアウトだが、飲食店側のちょっとした油断が客の命を脅かすこともあるということを忘れてはならない。安心で安全な料理を提供するためにも、無理のない範囲でテイクアウトを行うことが大切だ。今回紹介した食中毒予防の3原則である、「つけない」「増やさない」「やっつける」ということを改めて意識しながらテイクアウトを行ってほしい。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。