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【新型コロナ】飲食店の32%が廃業を検討か。東京商工リサーチが調査

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画像素材:PIXTA

新型コロナウイルス感染拡大の第3波が到来し、経済活動に再び影を落としている。そんな中、信用調査会社の東京商工リサーチが「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」を実施。今回はその結果を詳しくご紹介する。
※なお、調査は12月1日~12月9日にインターネットで実施、有効回答数は1万657社。資本金1億円以上を大企業、1億円未満や個人企業等を中小企業と定義している。

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7割以上が売上前年割れ。中小企業の減収企業率は72.1%

まず、新型コロナウイルスが企業活動に影響を及ぼしているかを聞いた。「影響が継続している(75.3%)」が最多で、前回調査(2020年11月9日~16日)より1.3ポイント増加。規模別では大企業が83.4%、中小企業が73.7%だった。

全企業の75.3%が「影響が継続している」と回答

「影響が継続している」もしくは「影響が出たがすでに収束した」と回答した企業に、2020年11月の売上高は前年同月を「100」としてどの程度だったかを尋ねると、「100以上」(増収)は28.0%で、71.9%が前年割れ。減収企業率(企業規模問わず)は、2月67.7%、3月74.9%、4月83.7%、5月87.4%、6月81.6%、7月81.8%、8月81.0%、9月80.2%、10月68.3%と推移し、11月は71.9%に悪化した。規模別の減収企業率は大企業が70.7%、中小企業が72.1%。「50未満」(売上半減)は、大企業が3.0%、中小企業が5.9%だった。

71.9%の企業の売上が前年割れ

減収企業率の推移。11月から数値が悪化している

55.0%が支援策を利用。トップは「民間金融機関の実質無利子・無担保融資」

新型コロナウイルス関連の国や自治体、金融機関の各種支援策を利用したか聞いたところ、55.0%が「利用した」と回答。規模別では大企業が29.5%、中小企業は60.0%だった。

55.0%が支援策を「利用した」と回答

内容については、「民間金融機関の実質無利子・無担保融資(信用保証付き)」が最も多く51.0%。これまで利用率トップだった「雇用調整助成金」は50.2%となっており、以下、「持続化給付金」が50.0%、「日本政策金融公庫による実質無利子・無担保融資(新型コロナウイルス感染症特別貸付)」が34.9%と続いた。

「雇用調整助成金」の利用率は50.2%

廃業の可能性「ある」が0.3ポイント悪化。中小企業の「廃業検討率」は8%台に

続いてコロナ禍の収束が長引いた場合、「廃業」を検討する可能性はあるかを聞いた。「ある」が6.8%、「ない」が93.1%。「ある」は前回調査より0.3ポイント悪化した。「ある」と回答した企業を規模別でみると、大企業が0.7%、中小企業が8.0%。大企業は10月以降に改善しているが、中小企業は悪化に転じ、「廃業検討率」が再び8%台となった。

前回調査より数値が悪化している

廃業を検討する可能性が「ある」と回答した企業を業種別で分析したところ、構成比が最も高かったのは、「飲食店」の32.7%。前回調査から9.3ポイント増加し、全業種で唯一3割を超えた。

約3割の飲食店が廃業を検討する可能性があると回答

前回調査から「減収企業率」と「廃業検討率」がともに悪化し、第3波がすでに企業活動に影響を及ぼしていることが明らかとなった。なかでも、飲食店の廃業検討率は3割を超えており、事態の深刻さを物語っている。

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上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。