飲食店ドットコムのサービス

コロナ禍で2店目を出店! せいろ蒸し酒場『オオサカチャオメン』の業態開発力

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

「蒸し鶏 葱生姜ソース」(630円)

エリアに合わせてメニュー構成と接客を変える

今年4月、グルメスポットとしてここ数年で賑わうようになった梅田のお初天神裏参道に、『オオサカチャオメン』の2号店がオープンした。コロナ禍のオープンということで、窓を大きくとって換気しやすい空間にするなど工夫を凝らしたそうだ。また、1号店がある本町はオフィス街で、2号店がある梅田は若者の街。客層が異なるからこそ、メニュー構成や接客を変更したという。

メニュー構成については、焼売やチャオメンなどのメインとなるメニュー以外で、3分の1を若者が好むような内容に変更。例えば、本町の1号店では蒸し鶏が骨付きだが、梅田の2号店では食べやすさを重視する若者向けに骨なしで提供するなど、細かなところまで気を遣っている。

また、梅田の2号店は店内にメニュー表を設置せず、テーブルに置かれたQRコードをスマホで読み取って注文する形式にした。若い世代のお客が多いからこそ実現している接客スタイルで、一石三鳥になっているのだとか。メリットの1つ目はコロナ対策、2つ目はLINEの公式アカウントの友達数を増やせること。メニューを見るにはQRコードを読み込んで友達登録する必要があり、登録してもらうことで集客に繋げる狙いがある。3つ目は、メニュー表がないことでバッシングの手間が省けることだ。コロナ禍ではお客が帰った後に客席を消毒するなどの手間が増えており、メニュー表を置かないだけでもバッシングがスムーズにできる。

『肉汁シウマイとせいろ蒸し オオサカチャオメン お初天神裏参道』の店内。全面が窓になっている

【注目記事】地元客に愛され坪月商58万円を達成。西荻窪『サイコロ』が貫く“楽しむ”姿勢

コロナ禍でも、目指す目標は変わらない

『オオサカチャオメン』では1号店がオープンして約半年後、ちょうどお客がついてきたタイミングでコロナ禍に見舞われた。それ以降、状況に合わせてさまざまな対策を行ってきたという。

最初の緊急事態宣言が発令されたときは近隣の飲食店と協力して、期間限定で合同メニューのテイクアウト&デリバリーを実施。企画したのが四ツ橋筋にある4店舗だったことから“ヨツヨコ”と名付け、店舗横断の注文を受け付けた。普段は各店舗に行かなければ食べられないメニューが同時に楽しめるとあって、お客から好評でリピーターも多かったそうだ。

その後、1号店でランチ営業をスタート。現在も焼売、蒸し鶏、蒸し野菜などがセットになった定食を提供している。時短要請や酒類提供が制限される状況でも、1号店のある本町はオフィス街という立地からランチで集客することができているという。

未だ予断を許さない状況ではあるが、上甲さんの目指すところは当初と変わっていない。

「チャオメンを広めたいし、そのためには店舗展開していくことが必要です。現在はスタッフの労働環境などの基盤を固めながら、焼売のテイクアウト専門店にセントラルキッチンの役割も兼ね備えた店舗を出店しようと計画しています。焼売は一つ一つ手作業で作っているのですが、そうすると各店舗の仕込みに時間がかかってしまうのがこれまでの課題でした。店頭で出来立てを販売しながら、そこで仕込んだ焼売を各店舗に振り分ける形にしたら、業務の効率化にも繋がると考えています」

経営基盤を安定化させることで売上を伸ばすと、新規出店に弾みがつく。そして『オオサカチャオメン』の店舗数が増えることで、お客にチャオメンを食べてもらう機会も増える。上甲さんがチャオメンの専門店を手掛ける頃には、チャオメンが知られるようになっているはずだ。「チャオメンを文化に」―。上甲さんが思い描く、新たな食文化の創造を楽しみにしたい。

『肉汁シウマイとせいろ蒸し オオサカチャオメン お初天神裏参道』の外観

『酒と肴とせいろ蒸し オオサカチャオメン』
住所/大阪市中央区平野町4-7-7 平野町イシカワビル1F
電話番号/06-6484-6233
営業時間/11:30~14:00、17:00~24:00
定休日/日曜
席数/36
インスタグラム/https://www.instagram.com/osaka.chaomen/

『肉汁シウマイとせいろ蒸し オオサカチャオメン お初天神裏参道』
住所/大阪市北区曽根崎2-10-8 2F
電話番号/06-6940-0094
営業時間/17:00~24:00
定休日/年中無休
席数/30
インスタグラム/https://www.instagram.com/osaka_chaomen/

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ

Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
松尾友喜

ライター: 松尾友喜

和歌山の地元情報誌の編集部でパンの特集や連載、商品開発を手掛けるなど、“パン好き編集者”として活動。2018年に独立し、フリーランスのライター・編集者として、パンをはじめ食関連、旅と街歩き、インタビューなど幅広い分野で取材・執筆している。