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飲食店が注目すべき2022年の重大トピックス。コロナ関連から脱プラまで

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2022年がスタートした。2021年は長引くコロナ禍で時短要請が相次ぐなど飲食業界にとって厳しい状況が続いたが、今年はどうなるのだろうか。ここでは、飲食店と関わりの深い2022年の重大トピックスを紹介していく。

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「事業復活支援金」の給付

2021年9月30日に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除されて以降、感染状況は落ち着きを見せていたが、新たな変異種「オミクロン株」が出現し年末年始に感染が急拡大。1月9日には沖縄・山口・広島の3県、そして1月21日には東京を含む13都県に「まん延防止等重点措置」が適用された。そんな中、飲食店の新たな支援策として注目されているのが「事業復活支援金」だ。

昨年12月20日、新型コロナウイルスの経済対策を含む2021年度補正予算が成立。コロナ禍で売上が減少している中堅・中小・小規模事業者、フリーランス、個人事業主を対象とした「事業復活支援金」も盛り込まれた。

「事業復活支援金」は、コロナ禍で大きな影響を受ける事業者が2022年3月までの見通しを立てられるよう、地域や業種を問わず、固定費負担を支援することを目的に創設。2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が、前年か前々年の同じ月より50%以上、または30~50%減少した事業者に、法人は最大250万円、個人は最大50万円を限度に給付される。

改正電子帳簿保存法が1月から施行

電子帳簿保存法とは、各税法で原則紙での保存が義務づけられている帳簿書類について、一定の要件を満たした上で電子データによる保存を可能とする法律。経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上や記帳水準の向上などを目的に2021年度の税制改正で抜本的な見直しが行われ、2022年1月1日より改正電子帳簿保存法が施行された。

改正電子帳簿保存法では、電子的に作成した会計帳簿などをデータのまま保存することや、領収書などをスキャナーで取り込んでデータで保存することが可能に。また、電子メールで受け取った領収書などの取引情報は紙での保存が禁止され、電子データのまま保存することが義務付けられた。

しかし、電子取引情報のデータ保存の義務化については、中小企業などから「対応が間に合わない」といった声が上がっていたことを受けて、制度開始直前に2年の適用猶予期間が設けられることになった。

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プラスチック資源循環促進法が4月から施行

海洋プラスチックごみ問題や気候変動問題を背景に、国内におけるプラスチック資源の再利用促進や、事業者によるプラスチックごみの排出を抑制するために、「プラスチック資源循環促進法」が昨年公布、2022年4月から施行されることとなった。

この法律に基づき、プラスチック製のフォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストローなどの12品目が、「特定プラスチック使用製品」として削減対象に指定された。飲食店がこれらの製品を提供する場合は、「有料化する」、「不要とした消費者へポイントを還元することで利用機会を減らす」、「消費者に必要かどうかの意思確認をする」などの対応が必要に。または、代替素材の製品や繰り返し使用が可能な製品に替えるなどの工夫が求められる。なお、年5トン以上使用している事業者については義務化し、対応が不十分な場合は公表される。

社会保険適用が10月から拡大

2016年10月から、「短時間労働者を除く従業員数が500人を超える事業所」で働くパート・アルバイトは社会保険の加入対象となっていたが、2022年10月からは「短時間労働者を除く従業員数が100人を超える事業所」に適用が拡大。さらに、2024年10月には「短時間労働者を除く従業員数が50人を超える事業所」にまで拡大される。

対象の勤め先で働くパート・アルバイトのうち、「週の所定労働時間が20時間以上30時間未満」、「月額賃金が8.8万円以上」、「2か月を超える雇用の見込みがある」、「学生ではない」という4つの条件に当てはまる人に健康保険、厚生年金保険が適用される。

適用拡大によって対象となった飲食店は、新たに被保険者となるパート・アルバイトの従業員を把握し本人に説明した上で、令和4年10月以降に資格取得の届け出を行う必要がある。

いまだ新型コロナウイルスの影響が続いているが、感染対策と経済活動を両立する動きも少しずつ始まっている。プラスチック資源循環促進法の施行をはじめ、飲食店と関連のある法改正も多く、早めに準備を整えておいてほしい。

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松尾友喜

ライター: 松尾友喜

和歌山の地元情報誌の編集部でパンの特集や連載、商品開発を手掛けるなど、“パン好き編集者”として活動。2018年に独立し、フリーランスのライター・編集者として、パンをはじめ食関連、旅と街歩き、インタビューなど幅広い分野で取材・執筆している。