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飲食店も活用できる「業務改善助成金」。利益率が低下した事業者を対象とした特例も

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画像素材:PIXTA

飲食業界は長引くコロナ禍に続き、原材料高騰や人件費の上昇といった新たな課題に直面している。業務効率化を図ることでなんとか利益を確保しようと工夫を重ねている飲食店も多いのではないだろうか。こうした店舗におすすめしたいのが「業務改善助成金」だ。今回はその内容を詳しくご紹介する。

業務改善助成金とは?

事業所内で最も低い賃金(事業所内最低賃金)の引き上げを図るとともに、その事業者の生産性向上を支援するための制度が「業務改善助成金」だ。

事業場内最低賃金を一定額以上引き上げることを条件に、厨房設備やPOSシステムの導入、人材育成に関わる研修といった生産性向上に関わる投資の一部(最大600万円)を助成する。

飲食業では次のような活用事例がある。

<取り組み>
デリバリーを実施している飲食店において、助成金を活用して受注システム、配達用3輪バイク、二層フライヤーを導入。調理スピードの向上や、受注処理の改善を図った。

<結果>
電話応対がなくなり、また配達エリアや配達住所の管理が正確に行えるようになった。3輪バイクの導入で配達時間が1日1.5時間削減され、二層フライヤーの導入で6件の注文を一度に調理することができるようになった。

<成果>
デリバリーの注文受付から配達までの工程と、揚げ物調理の効率化により生産性が向上し、1人の従業員の時間給(事業場内最低賃金)を100円引き上げた。

画像素材:PIXTA

業務改善助成金のコース区分は「通常」と「特例」の2つ

【通常コースの主なポイント】
・助成対象は「事業所内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内」かつ「事業場規模100人以下」。
・最低賃金の引き上げ額によって「30円コース」「45円コース」「60円コース」「90円コース」の4種類に分かれる。引き上げ額と引き上げる労働者数が増えれば増えるほど助成上限額が高くなる。助成額は30~600万円。
・新型コロナの影響で売上高が減少している事業者に対しては、2022年9月1日から助成対象経費が拡大される特例が設けられた。

<要件>
(a) 「原材料費の高騰など社会的・経済的環境の変化等外的要因により利益率が前年同月に比べ3%以上低下した事業者」を特例対象に追加。
(b) 特例の対象事業者となる「新型コロナウイルス感染症の影響により売上高等が減少している事業者」の売上減少幅を、30%から15%に要件緩和。売上高の比較対象期間は2年前までを3年前までに変更。
(c) (a)(b)のいずれかを満たす事業者は、助成上限額が最も高額な「賃金引き上げ労働者数10人以上」の助成上限額区分を利用可能。

<助成率の引き上げ>
(a) 事業場内最低賃金が870円未満の事業場:9/10
(b) 事業場内最低賃金が870円以上920円未満の事業場:4/5(9/10)
(c) 事業場内最低賃金が920円以上の事業場:3/4(4/5)

※()内は生産性要件(助成金の支給申請時の直近の決算書類に基づく生産性と、その3年度前の決算書類に基づく生産性を比較し、伸び率が一定水準を超えている場合)を満たした事業者の場合

画像素材:PIXTA

【特例コースの主なポイント】
・助成額は最大100万円。
・助成率は事業場内最低賃金920円未満:4/5、同920円以上:3/4
・通常コースで認められる生産性向上に資する設備投資(機械設備、コンサルティング導入、人材育成・教育訓練など)に加えて、業務改善計画に計上された「関連する経費(広告宣伝費・汎用事務機器、事務室の拡大やオフィス家具の増設など)」も助成対象。

<9月1日から支援が拡充>
・助成対象事業者の追加
「原材料費の高騰など社会的・経済的環境変化等外的要因により利益率※が前年同月に比べ5%以上低下した事業者」を追加。

・売上高の比較対象期間見直し
売上高が30%以上減少した事業者の売上高の比較対象期間の見直しを実施。
見直し前:令和3年4月から令和3年12月まで
見直し後:令和3年4月から令和4年12月まで

・助成率の引き上げ
一律3/4を、事業場内最低賃金額が920円未満の事業者は4/5に引き上げ

ポイントは取り組む「順序」

助成金交付申請書をする場合、まずは、業務改善計画と賃金引上計画(事業場内最低賃金の引上計画)を記載した交付申請書を作成・提出。審査後、助成金の交付決定通知が行われる。交付決定後、提出した計画に沿って取り組みを実施し、労働局に事業実施結果を報告する。

理解しておきたいのは、事業場内最低賃金の引き上げや設備投資などを、交付申請書提出前に実施すると交付の対象外となってしまうこと。適切な順序で進めたい。

・申請期限:2023年1月31日
・申請窓口:各都道府県労働局雇用環境・均等部室
■厚生労働省「業務改善助成金」

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岩﨑美帆

About 岩﨑美帆

1982年生まれ。NPO活動に没頭した 大学時代、塾講師、広告営業を経て、フリーライターに。食・健康・医療など生と死を結ぶ一本線上にある分野に強い関心がある。紙媒体、Web媒体、書籍原稿などの執筆の他、さまざまな媒体の企画・構成の実績がある。好きな言葉は「Chase the Chance!」