飲食店のDX導入、関心は高いものの導入は進まず。ネックはコストとDX人材の確保
飲食DX導入で集客力や売上、生産性などが向上
次に聞いたのは飲食DXの効果について。「効果を実感している」と回答した4.5%の人に改善したことを聞いたところ、最も多い回答が「業務効率化」の52.2%となった。続いて「売上向上」の47.8%となっており、飲食DXの導入によって利益増につながったと考えられる。また「労働環境の改善」や「人材育成」など人材不足対策にも役立っていることがこの結果からわかる。

画像引用元:レストランテック協会飲食DX動向レポート2022
また1店舗当たりの飲食DXに関する予算は、「月10万円以下」(29.6%)、「月11〜20万円」(14.8%)、「月21〜30万円」(12.3%)が上位。「わからない」(35.8%)を除くと、「20万円以下」が44.4%、「21万円以上」が19.7%となる。DX予算の増額を予定しているのは36.5%となっているのも興味深い結果だ。

画像引用元:レストランテック協会飲食DX動向レポート2022
反対にDXに取り組んでいないと回答した56.4%の人にその理由を尋ねると、最も多い回答が「コストが高い」の37.8%。「サービスがわからない」「DX人材の確保、育成」と続いた。
ただし「効果が見えない」と回答したのは18.5%で、効果があるのは認識しているものの、コストや人材などによって導入できない状況にあることもわかった。

画像引用元:レストランテック協会飲食DX動向レポート2022
飲食DXの普及賛成派は51%。普及反対派の2.6%を大きく上回る
一方、ユーザー側から見た飲食業界のDX事情についても調査。飲食店のDX進捗に対する考えを聞いたところ、「早急にもっと普及してほしい」が20.3%、「ゆっくりと普及してほしい」が31.2%となり、普及してほしいと考えるユーザーが半数を超えた。一方、「全く普及してほしくない」「あまり普及してほしくない」の普及反対派は2.6%となり、賛成派が大きく上回った。

画像引用元:レストランテック協会飲食DX動向レポート2022
さらに「どのようなサービスで普及してほしいか」と尋ねたところ、「デリバリー・テイクアウト」が最も多く66.2%と約3分の2を占めた。次に多いのは「モバイルオーダー」の59.9%で、「会計・決済」の54.2%、「飲食店予約」の50.1%と続いた。コロナ禍以降、非接触による対応が広がりつつあるが、利便性を感じている人が多く、さらなる普及が望ましいと考えているようだ。

画像引用元:レストランテック協会飲食DX動向レポート2022
今回のアンケート結果を見ると飲食DXが普及しているとは言い難いが、活用している飲食店ではその効果を実感していることは確かである。また、消費者のニーズの高まりも感じられる。他店よりもいち早く飲食DXを導入することが自店舗の武器にもなり得るので、これからも関心を持って飲食DXの動向を注視してもらいたい。
