開店1年で月商800万円。『ポップガストロノミー レインカラー』手島氏の「プラスの裏切り」

「名古屋コーチン胸肉の低温ロースト マッシュルームのカルパッチョ添え(1,490円)」
「お皿も旨み」の発想で、食材の価格高騰も無理なく乗り切る
次に、昨今続いている食材の価格高騰についてどう対処しているのか尋ねたところ、手島氏は「お皿も旨み」という意識を持つことが大切だと話してくれた。「良い食器を使えば、大盛りの料理でお皿を埋める必要がなくなる」と手島氏は説明する。質のいい食器を用いることで「余白を残した盛り付け」が可能になり、その分使う食材が少なくなるというわけだ。
「ポップガストロノミーレインカラーでは1枚8,000円のお皿を使っています。良い食器には力がある。食器まで食材だと考えて料理を盛り付けることで、見た目も美味しくなりますし、結果的に食材の節約にもなります」

「コミュニケーションが取りやすいように」との思いを込めた木製のビッグテーブル。温かみのある色合いと席間のない作りがリラックス感を誘う
ホワイトな店舗運営とボトムアップの促進で、若手スタッフのモチベーションを最大化
また、『ポップガストロノミー レインカラー』では、若手スタッフの感性を尊重している。特にSNSの運用については、すべて店舗の20~30代のスタッフが行っているという。SNSの運用を若手に任せることで、「SNSをメインで利用している年代の子にしかわからない『最先端の“映え方”』を自然と取り入れてもらえる」と手島氏は話す。
「例えば、最近は写真を加工しない方が逆におしゃれだとか、若い人に訴求しやすい『しずる感』があるとか、日々変化している若い人たちの感覚を無理なく取り入れてもらえるんです。情報収集の方法も上の世代とは異なるから、新たな視点を教えてくれる。そういう部分が、店舗にとって効果的な集客に繋がっています」
また、若手スタッフに働くモチベーションを維持してもらうため、能動的な現場ミーティングを実施させているという。それは手島氏が、「トップダウンよりボトムアップ」、「現場スタッフの問題意識が大切」であると考えているためだ。
「やはり、自分たちで問題を見つけて、その解決策も自分たちで考えるのが一番いいですね。上から言われるのとでは当事者意識が違います。だから、なるべく口を出さないようにしてるんです」
もちろん、時給や拘束時間にも気を配り、可能な限りホワイトな店舗運営を目指していることも教えてくれた。ほかにも、新メニューの試作を任せるなど、今後も若手スタッフにはいろいろなことにチャレンジしてもらいたいという。
コロナ禍でも大健闘! 月商800万円はほぼ計画通り
『ポップガストロノミー レインカラー』は、コロナ禍のオープンにも関わらず順調に成長。現在では月商800万円を売り上げているが、これは当初の売上計画の見込み通りだったのだろうか? 少々踏み込んだ質問だが、その点にも触れると、手島氏は「当初は月商1,000万円を目指していましたよ」と笑った。
「コロナ禍でなければ、月商1,000万円を目指していました。しかし、コロナ禍においては、800万円は大健闘だと思います。焦らず着実な経営を続けていきたいですね」
