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開店1年で月商800万円。『ポップガストロノミー レインカラー』手島氏の「プラスの裏切り」

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『ポップ ガストロノミー レインカラー』の店主・手島義朋氏

2005年開店の『ワイン食堂 レインカラー』からの3店舗目として、昨年、学芸大学駅東口にオープンした『ポップガストロノミー レインカラー』。ガストロノミー=美食を気軽に楽しんでほしいというコンセプトで、客単価3,500円を上限としつつも本格的な料理を味わえる店として多くの人の心をつかみ、1年で月商800万円を叩き出すほどの繁盛店に成長した。

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今回はオーナーの手島義朋氏にこの1年を振り返ってもらい、具体的な工夫やコロナ禍での試行錯誤のエピソードとともに、成功の過程をたどっていく。また、12月上旬にオープンを予定している新店についての最新情報もお伝えしたい。

お客様には「プラスの裏切り」を与えたい

1店舗目である『ワイン食堂 レインカラー』に訪れたお客様からのアドバイスを受け、2店舗目の『大衆酒場』からは「日常でも気軽に使ってもらえる店」、「美味しいものを手軽な値段で楽しめる店」というコンセプトを掲げている。

「宮崎県産 鹿もも肉のベーコン巻きロースト(1,490円)」

手島氏がそのコンセプトを守るため、日々大切にしているのは「お客をポジティブに裏切る」という心がけだ。「美食」というと、どうしてもほかの店が真似できない奇抜なアイデアで演出したくなるものだが、手島氏はあえて「アレンジし過ぎないこと」を重要視しているという。

「日本人としてなじみのあるメニューに美食的な要素を加える場合、そのメニュー自体がもともと持っている良さを失ってしまってはいけないので、アレンジし過ぎないよう気をつけています。例えば『だしまき卵』なら、洋の食材をうまく活用しつつも『だしまき卵』としての良さはしっかり残す。別ものにならない絶妙なバランスのところで魅せるのが、レインカラー流。親しみのある料理の良さを保ちながら、驚きや魅力を感じてもらえるような工夫を加えるのが、私の考える『大衆感のある美食』です。『知っているメニューだけど、格段に美味しい』という、プラスの裏切りをお客様に与えたいと思っています」

こうした意識を従業員と共有するのは難しいことだが、手島氏は「なぜこの料理をメニューに入れたのか」という根本的な理由やエピソードまできちんと説明して伝えることで、コンセプトの統一を図っている。

「例えばジビエ料理の付け合わせなら、『食材にする動物の“エサ”までさかのぼって調べ、そこからヒントを得た』というような部分まで伝えます。根本的な部分への理解が深まることで、従業員も自然とコンセプトを理解してくれます」

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支倉律花

ライター: 支倉律花

教員として学校に勤務しながら、グルメ・エンタメなど複数のWebメディアで記事の執筆を行う。現在はフリーランスのライターとして、教育・医療系媒体を中心に取材・執筆を担当。映画館に週4で通うのが趣味。