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創業43年『たん焼き 忍』がファンに愛される理由。女将「私は人が好きなだけ」

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外観にも内観にも木材を多用しているのがこの店の特徴

客はもちろん、従業員にもホスピタリティを

『忍』にはユニークなルールがある。どんなルールなのか、忍さんに說明してもらおう。

「牛たんを焼く仕事もホールもレジも1週間ごとに全員でローテーションしています」

料理人とホールスタッフが定期的に入れ替わるなど、一般的にはありえないかもしれない。なぜそんなルールを定めたのか。

「独立した後も、厨房もホールもレジもすべてできるようになる、という理由で主人が考えました」

ゴミ当番こそ男性全員の仕事だが、それ以外の仕事は全員が1週間ごとに入れ替わっている。徳治郎さんの親心で始めたローテーションのおかげで、全従業員が客の顔を覚えられる。満席の店内でもきびきびと動きながら、客とのコミュニケーションをとっていた。

忍さんを慕う9人の従業員。コロナ禍で喘ぐ昨年と今年、未来を見据え、2人の若者を雇った

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月に一度、「うちの子たち」と一緒に飲みに行く

忍さんがもてなす対象は客だけにとどまらない。営業終了後の、お疲れさまの乾杯を欠かさないそうだ。そしてもうひとつ。月に一度(営業が20時までの土曜日)、営業終了後、従業員と一緒に飲みに出かけるようにしている。

「毎月誰かしら誕生日の子がいるので、どこへ行きたいか誕生日の子に決めてもらい、主人も一緒にみんなで飲みに行きます」

忍さんは、従業員にも持ち前のホスピタリティを存分に発揮している。だからこそ従業員からも慕われ、客からも愛され、客足も笑顔も絶えない店に成長したのではないか。

「主人は朝の仕込み以外リタイアしましたが、私はもう少しここにいたいです。人が好きなんです」

『たん焼 忍』
住所/東京都新宿区四谷三栄町14-4 松啓ビル1F
電話番号/03-3355-6338
営業時間/17:00~22:30(L.O.22:00)、土曜16:00~20:30(L.O.20:00)
定休日/日・祝日 ※お盆・年末年始は要問合せ
席数/45
https://tanyakishinobu.com/

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中島茂信

ライター: 中島茂信

CM制作会社を経てライターに。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』『101本の万年筆』『瞳さんと』『一流シェフの味を10分で作る!男の料理』『自家菜園のあるレストラン』。『笠原将弘のおやつまみ』の企画編集を担当。「dancyu web」や「ヒトサラ」、「macaroni」などで執筆中。