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酒場ライター・パリッコが飲んで語る「今あらためて『一軒め酒場』が面白い」

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新生・一軒め酒場の新メニューに感動!

と、好き放題に“新生・一軒め酒場”を堪能した僕だったが、今回特に感動したのが、リニューアル後にメニューに加わったもののうち、次の2品。「手包み肉汁たっぷり一軒め焼売」と、「酒場のソース焼きそば」だ。

「手包み肉汁たっぷり一軒め焼売」(275円)

「酒場のソース焼きそば」(319円)

焼売は品名の通り、それぞれの店舗で手包みしているこだわりの逸品。優しい風味のスープに浸かっているのが珍しい。究極にふわりとした食感が印象的で、キャベツの旨味が溶け出したスープと一緒にほおばると、ついつい目尻が下がってしまう美味しさだ。

そして焼きそば。最近の僕は、焼きそばをつまみに飲むのが妙に好きなんだけど、このソース焼きそば、酒のつまみとしては究極と言えるかもしれない。あえて具なしの焼きそばの上に、ノリ入りの揚げ玉とかつお節がどっさり。麺は底の部分がかりかりになるくらいに焼かれていて、それらのハーモニーが、まさに“酒場の”焼きそばだ。いや〜、これまたいいものを見つけちゃったな。

「安くて美味しい」を実現する企業努力に感動!

時代の主流とはあえて逆方向に舵を切り、だからこそ僕のような大衆酒場好きの心をつかむ、一軒め酒場。今回はちょっとやりたい放題が過ぎた気がするけど(友達とふたりで行って超満腹……)、それでもお会計は5,000円ちょっとだった。軽く1、2杯の酒とつまみを数品頼むくらいならば、1,000円台でも余裕でおさまる。今までずっと、「安くて美味しいって最高〜!」なんて軽いノリで、ごくごく気軽に飲みに行っていたが、今回きっちりと向き合うことにより、その裏にある企業努力のありがたみを痛感した。

どんな店や企業においても、我々のんきな酒飲みには想像もできないような、飲食店を運営していくうえでの計り知れない試行錯誤や苦労があるのだろう。そこには最大限感謝しつつも、相変わらず「安くて美味しいって最高〜!」なノリで、さまざまな酒場に飲みに行きたいとあらためて思った次第だ。

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パリッコ

ライター: パリッコ

1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家、イラストレーター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。最新刊はスズキナオ氏との共著『ご自由にお持ちくださいを見つけるまで家に帰れない一日』。2022年には、長崎県にある波佐見焼の窯元「中善」のブランド「zen to」から、オリジナルの磁器製酒器「#mixcup」も発売した。