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M&A、コロナ禍で新たな武器を携えた『晩杯屋』。「安くて旨い」を貫き100店舗を目指す

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武蔵小山本店は、創業店が再開発により移転する形で2015年より現地で営業

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ターゲットは定めない。好き嫌いを判断するのはお客様

取材した武蔵小山本店は、1フロア24坪・2階建てで、立ち飲みが主流の『晩杯屋』の中では大規模店。2階はテーブル席となっており、1日平均平日200~250人、週末は350~400人が来店。うち1人客の割合が6~7割にも上る。

鈴木氏の言葉で印象的だったのが「ターゲットを明確に定めていない」という表現だ。「もちろん時間帯によって客層の変化はありますが、性別とか年代とかで明確に定める時代ではなくなっていると感じています。我々は常にブラッシュアップを続けるだけで、変化や好き嫌いを判断するのはお客様ですから」

客単価は1,350円~1,500円程度で、創業当初から比較すると少し上がったものの、それは原材料費の高騰による値上げだけが理由ではなく、コロナ禍でゼロ次会、二次会の利用がほぼなくなり、1組あたりの単価が上がったことが大きいと鈴木氏は説明する。「終電の時刻が繰り上がったこともあり、閉店時間を30分早めました。売上はコロナ以前まで回復しましたが、21時以降の集客に関しては以前のようには戻らないのではと感じています」

理想的な立地については、ある程度の人口を有する都市であることは大前提だが、まだ模索中であると鈴木氏

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2026年までに100店舗を目指し、出店を加速

コロナ禍で鈍っていた出店も今後は加速していく計画で、2022年8月には関西初となる『立呑み晩杯屋 十三店』を大阪に出店。2023年は3月に横浜・桜木町、5月に東京・吉祥寺のハモニカ横丁に出店しており、現在は関西4店舗、関東37店舗を展開。今期10店舗の出店を計画しており、2026年までに100店舗を目標に掲げる。

「私自身、晩杯屋が好きで入社したこともあり、ものすごいポテンシャルを感じています。晩杯屋は魚が売りなので関東から地方への流通が難しく、各エリアで仕入れを開拓する必要性がありますが、まだまだ出店したいエリアがたくさんあります」と鈴木氏。100店舗という目標達成のためにはかなりのスピード感をもって展開していくことが必要で、そのためのモデル店舗構築も急がれる。

『立呑み 晩杯屋 武蔵小山本店』
住所/東京都品川区小山3-24-10
電話番号/03-3785-7635
営業時間/11:00~23:30
定休日/なし
席数/150

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笹木理恵

ライター: 笹木理恵

飲食業界専門誌の編集を経て独立。スイーツ・パンからフレンチ、ラーメンなどまで、食のあらゆるジャンルを担当。飲食専門誌を中心に、一般雑誌やWEB、書籍などで活動している。「All About」「Yahoo!ニュース個人」でも執筆中。 https://foodwriter-rie.com/