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レモンサワー発祥店『もつ焼きばん』、恵比寿店も月商1000万超え達成。多店舗展開の必勝法に迫る!

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『ばん』の経営に関しては厳しくも、社員や常連客への愛情深さがにじみ出ていた松本氏

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恵比寿店オープンから半年で月商1,000万円達成。だが目標はさらに上

五反田に始まり、中目黒、三軒茶屋、下北沢、高田馬場と地道に店舗数を増やしてきた同店だが、その一番新しい店舗は今年1月にオープンした恵比寿店だ。すでに月商1,000万円(坪月商66万円)を突破したというが、目標はさらに上の1,300万円だそう。

「恵比寿横丁の近くで場所もいいので、それだけ期待しています。15坪の居酒屋業態で月商1,000万円は十分に聞こえますが、同じ広さの五反田店で月商1,300万円の実績があることを思えば、まだまだの数字です」

これまで同様にまずは常連客をつくるには、少し時間がかかる。また恵比寿という場所が、既存店の顧客層と被っていることも苦戦の理由になるかもしれないという。

「これまでは地元ドミナント戦略で、距離は近くても電車で行き来しづらい場所に出店してきました。でも恵比寿で飲む人は五反田や中目黒に頻繁に行っているでしょうから、恵比寿店の常連づくりにはこれまで以上に根気がいるでしょうね」

そんな恵比寿店の店長に起用されたのは、五反田店で活躍した期待の若手エースだ。厳しい売上目標を前にしながらも、最高実績をつくろうと前向き取り組んでいる。その一方で五反田店に残された者たちは、実績を落とさぬようさらに熱が入っているというから、『ばん』の社員はみな会社の成功と自分の成功を重ね合わせ、仕事自体を楽しんでいるようだ。

「家業から始まった業態なので、従業員は家族みたいな間柄です。厳しいながらも助けあって、仕事も遊びも含めて互いに年を重ねています」

勤続が長い社員が増えるにつれ、給与面を含めた待遇改善のためにも、新しいポジションをつくる必要性を感じているという。また多店舗展開のほかに、コロナ禍で挑戦したテイクアウトサービスは新しい事業の柱になりそうだ。

名前が知られているから「ばんのもつ焼きが家で食べられる」と、デリバリーを始めてすぐに成果が出た

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「コロナ禍で学生がいなくなった高田馬場店で、UberEatsを始めたのがきっかけです。下北沢店では開始初月から300万円を売り上げて、チェーン店を除く単店ブランドの中で、開業店舗ランキングで全国一位になりました」

今年8月にはセントラルキッチンを戸越銀座へ移転増床し、テイクアウト専門店の一面も持たせている。

最後に今後の展望を聞くと、「従業員もお客さまも含めて『ばん』が好きな人たちで、『ばん』を守っていくだけ」と飾らない回答が返ってきた。ただし長期的な存続を考えるとき、やはり課題となるのは優秀な人材の確保・育成である。その解決策として、のれん分け制度を検討しているそう。

「フランチャイズではなく、あくまでのれん分けです。『ばん』には簡単に盗んで大当たりするレシピやテクニックはないけれど、逆に時間をかけて苦労した分だけ学ぶことがたくさんあります。この経験を通して独立できると思うか、諦めるかはその人次第ですが、会社にとっても従業員にとっても、のれん分けという選択肢を作りたいですね」

『ばん』の歩みをみれば、伝説的な店だからと、単純な横展開で売上が倍々に伸びていくような、簡単な成功エピソードにはまとめられない。むしろ1店舗ずつ時間をかけて、客の心を掴む努力があってこそ、従業員と常連客がともに長く過ごす居場所がつくられている。昭和の匂いが残る同店が、これからも変わらずにあり続けることを願ってやまない。

『もつ焼きばん 恵比寿店』
住所/東京都渋谷区広尾1-16-2 VORT恵比寿Ⅱ 1階
電話番号/03-5422-8886
営業時間/11:30~4:00
定休日/正月のみ休業
席数/50

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松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。