「ミシュランガイド東京2024」発表会レポート! 『青空』は3年ぶりの新三つ星に
2023年12月5日、国立新美術館で開催された『ミシュランガイド東京2024』の掲載店発表セレモニー。昨年度422軒だった掲載店が大幅に増え、今年度は504軒と過去最多になった。ただし、新規掲載店168軒のうち142軒は「セレクテッドレストラン」という今年度からはじまった枠組みでの掲載だ。あらゆる価格帯、あらゆるジャンルを対象としたインスペクター(匿名調査員)の「おすすめ」という、これまでとは異なる評価基準で選出されている。
【注目記事】『フロリレージュ』川手寛康シェフが語る「東京で一番のレストランになるより大切なこと」
公式アプリで先行公開された新規掲載店の評価の行方は?
1900年にドライブ向けの媒体として誕生したミシュランガイド。現在、世界37か国にまで広がり、数多くのファンに愛読されるようになったのは、120年以上の歴史に基づく権威だけではない。「おいしい料理を星の数で表す」という分かりやすい評価方法、そして食通を唸らせる掲載店の厳正さである。
その背景にはインスペクターによる独自調査が欠かせない。世界中どこでも同じ評価できるようフランスで厳しいトレーニングを受けており、日本ミシュランタイヤ株式会社の代表取締役である須藤元氏すら預かり知らぬ存在という。
デジタル化が着々と進むミシュランガイドは、2023年4月に店舗検索や予約ができる公式アプリをリリースしたばかり。東京だけでも月7〜8軒ほどのペースでインスペクターが「ここは紹介したい」と評価した店舗が「ミシュランガイドNewセレクション」として先行公開されている。こちらも「セレクテッドレストラン」と同様、今年度から開始された新たな取り組みだ。公開時点では星を獲得するか未確定であるため、その評価の行方も掲載店発表セレモニーの注目ポイントとなった。
3年ぶりとなる新しい三つ星店の誕生で大いに湧いたセレモニー
『ミシュランガイド東京2008』の刊行時から150軒のレストランが掲載(三つ星8軒、二つ星25軒、一つ星117軒)され、世界で1番多くの星が輝く「美食の都」との評価を受けている東京。昨年度の『ミシュランガイド東京2023』でも世界一の数である200軒のレストランが星を獲得したが、三つ星の掲載店は2022年度版や2021年度版から変化はなかった。それだけに、3年ぶりとなる今回の新三つ星誕生はセンセーショナルであり、連日さまざまなメディアで報じられている。
新たに三つ星評価を受けた『青空(はるたか)』の高橋青空氏は北海道出身の寿司職人。21歳から12年間『すきやばし次郎』で研鑽を積み、2006年に独立開業を果たした。『ミシュランガイド東京2017』で一つ星として初掲載、『ミシュランガイド東京2019』で二つ星に昇格。しかしながら掲載店発表セレモニーには参加していなかったという。
はじめての登壇となった『ミシュランガイド東京2024』の掲載店発表セレモニー。「自分がぶれないために、どのような評価も気にしてこなかった」と、これまでを振り返りながらも「今日だけは素直に喜びたい」と満面の笑みを見せていた。
三つ星の掲載店舗数自体は昨年度から変わらず12軒。『かんだ』『カンテサンス』『ジョエル・ロブション』は、17年連続で三つ星評価を受ける結果となった。
■三つ星評価(そのために旅行する価値のある卓越した料理)を受けた12店(★★★)
『カンテサンス』(フランス料理・品川区)
『まき村』(日本料理・品川区)
『神楽坂 石かわ』(日本料理・新宿区)
『虎白』(日本料理・新宿区)
『青空』(寿司・中央区)
『ロオジエ』(フランス料理・中央区)
『龍吟』(日本料理・千代田区)
『麻布 かどわき』(日本料理・港区)
『かんだ』(日本料理・港区)
『茶禅華』(中国料理・港区)
『レフェルヴェソンス』(フランス料理・港区)
『ジョエル・ロブション』(フランス料理・目黒区)
