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厚労省、初の「飲酒ガイドライン」発表。適切とされる飲酒量に飲食店の反応は?

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厚生労働省は2月19日、アルコールによる健康被害のリスクを示し、国民に適切な飲酒量及び行動を推奨する「飲酒ガイドライン」を初めて発表した。適正量は酒に含まれる「純アルコール量」を基準としており、女性ではビール中瓶1本でも健康リスクがあるとして、目安となる飲酒量の少なさが話題になっている。本記事では「飲酒ガイドライン」の内容と、世情の声を紹介する。

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ビール中瓶1本、ハイボールなら2杯で高まる大腸がんリスク

2024年2月19日、厚生労働省では飲酒に伴うリスクを周知し、適切な飲酒量・飲酒行動の判断目安とする「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(通称:飲酒ガイドライン)を策定・公表した。基礎疾患がない20歳以上の成人の中でも、年齢や性別、体質などによる違いを明記した上で、過度な飲酒による疾患と行動に関するリスクを伝えている。

今回発表された「飲酒ガイドライン」では、「1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上」で生活習慣病のリスクを高めるとされ、男女ともに、1日あたり20g(週150g)程度以上の飲酒を続けた場合、大腸がんの発症リスクが上がることも明記された。

編集部にて作図(参考:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」)

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飲食店で提供されている代表的なアルコールドリンクの純アルコール量は、ビール中瓶20g、グラスワイン12g、日本酒1合22g、焼酎1合29g、ウイスキー1杯10gだ。一日あたり純アルコール量20g以内というと、ビール中瓶1本、またはハイボール2杯までということになる。

編集部にて作図(参考:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」)

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思ったよりも少ない? 飲食店や酒の愛好家からはネガティブな意見も

国が飲酒に関するガイドラインを発表するのは初めてとなる。これに対して世論の反応はどうだろうか。SNS上では、飲食店や酒販店、酒蔵などから、若者を中心とした酒離れの加速や、店での飲み控えを懸念する声が散見される。さらに酒の愛好家たちからは、規定にあげられた飲酒量の少なさに、驚きや嘆きの声が多く挙がった。

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適切な飲酒に向けた取り組みが始まった背景には、アルコール・ハラスメントに対する意識の一般化や健康志向、少子高齢化と若者のアルコール離れといった世相も背景にあるかもしれない。すでにアサヒビールとサッポロビールは「ストロング系」と呼ばれる、高いアルコール度数の缶酎ハイからの撤退を表明。健康志向が高い消費者をターゲットにした低アルコール飲料の割合を増やすことが予想される。実際に国民の飲酒に対する行動に変化があるのか、飲料メーカーや酒販、飲食店の動きなど、国内の酒飲み文化に関する今後の動向に注視したい。

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松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。