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坪月商45万円超の渋谷『極楽酒場 げんてん』。全従業員が「自分事」で取り組むパワフル経営

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最高坪月商50万円超へ。『げんてん』から飲食業界を盛り上げたい

素材や調理法にこだわった分は、バランスを図りながらメニュー価格へ反映。結果的に客単価は上がった。コロナ禍前は2,000円台後半だったが、現在は平均して3,500円位だという。

「お酒類があまり出なくはなりましたが、メニューを大幅に入れ替えたことで、売上的には伸びています。ここは14坪ですが、坪月商は平均で約45万円以上。昨年の11~12月はクリスマスや忘年会需要もあり、坪月商は50万円を超えました」(佐藤氏)

「変化した客層に合わせてメニューを見直しました」(佐藤氏)

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【注目記事】「居酒屋は、死なない」。逆境の中、僕らが「原点回帰」の居酒屋を作った理由

最後に、店舗の運転資金に関して興味深い話を聞いた。『げんてん』では家賃や原価率、人件費などの細かい経費を、すべての従業員と共有しているという。

「ブラボーピープルズに所属する従業員の特徴でもあるのですが、いつか自分で飲食店をやってみたいと考える人が多いんです。だから日々の仕事が他人事じゃない。スタッフに経営理念が浸透しているのも、いつか自分が独立した時の糧になると考えているからだと思います」

『げんてん』はオープン当初、「このくらいの坪数で、これくらいの家賃だったら独立しやすいよね」という、飲食店の一つのモデルとして構想された背景がある。だからこそブラボーピープルズの従業員には、飲食店経営のノウハウを身を持って学んでもらうため、家賃、原価率、人件費といったほとんどの数字をオープンにしているのだ。佐藤氏は「こういったやりかたは弊社独特なのかもしれません」という。

実際、渋谷近辺だけでも『晩酌屋おじんじょ』『三茶呑場マルコ』『酒場きんぼし』など、ブラボーピープルズの卒業生たちが経営している人気店は多い。佐藤氏は語る。

「店名に掲げた『げんてん』は、原点回帰の『げんてん』です。うちから羽ばたいて独立する人もいれば、残ってお店を支えてくれる人もいる。選ぶ道は違えども、一緒に飲食業界を盛り上げる仲間の存在は心強いですね」

惜しみなくノウハウを開示する経営陣の心意気からは、店舗という小さな単位ではなく、業界全体を活性化させたいという強い意思が垣間見える。今日の『げんてん』から、次はどんな物語が始まるのだろうか。

道玄坂の裏通りにたたずむ、いわゆる「大衆居酒屋」

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『極楽酒場 げんてん』
住所/東京都渋谷区道玄坂1丁目13-6斎藤ビル1階
電話番号/03-5456-4420
営業時間/17:30〜23:00(フードLO:22:15、ドリンク LO:22:30)
定休日/日曜
席数/テーブル32席 カウンター8席

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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