開業半年で坪月商52万円超! 渋谷『ツーピース』が語る“居酒屋”の定石
器、盛り付け、接客……すべてに高客単価の店づくりを取り入れる
出店を決めた渋谷エリアは『カクニマル』があり、楽コーポレーションの店舗も多いエリア。「先輩方と同じことをやっても仕方がない」と、客単価を少し上げて、落ち着いた雰囲気で食事とお酒を楽しめるよう、料理のクオリティはもちろん、使う食材やお皿、盛り付け、メニュー名や接客など「単価の高い店はどこが違うのか」を追求したという。
『ツーピース』のメニューは、アラカルトのみで約40品。地元静岡の食材や料理を積極的に取り入れて差別化を図っている。例えば、各卓に1皿ずつ出るという一番人気の「お造り盛り」。静岡県産の生シラスと桜エビのほか、8~9種類を盛り合わせて視覚的にも満足感を高めつつ、接客時に「今日届いた浜名湖の〇〇です」などと一言添えることでさらに印象を深める。
「うなぎつまみ」(1,580円)は、あえてわかりやすい商品名を避けることでお客とコミュニケーションを狙った一品。料理の内容は食べやすくひと口大に切ったウナギのかば焼きに、千切りしたキュウリと山椒を添え、日本料理店のような見栄えに仕立てている。
一方、静岡の名物料理では、カウンターの大鍋から盛り付ける「静岡おでん盛り」(1,100円)や「富士宮焼きそば」(1,480円)が人気だ。富士宮焼きそばは、富士宮焼きそば学会の認定を得たメニューで、公式の小さなのぼり旗と一緒に提供することでインパクトを高めている。
クスッと笑える、居酒屋らしい仕掛けも満載
料理の専門性を高める一方、接客では、クスッと笑える居酒屋らしい仕掛けを随所に用意している。その一例が、食事の後半、「お腹は膨れたがもう1杯飲みたい」というお客に出す寿司桶に入った無料のおつまみだ。
「お客様と気軽にコミュニケーションがとれるので、新人スタッフに持っていってもらうことが多いですね」と藤田氏。スタッフの制服はオーバーオールだが、それもお客からの反応を狙ってのこと。
「スタッフが楽しく働けて輝ける店にしたいので、営業中はお客様だけでなくスタッフのことも気にかけています。スタッフを大事にする店は、お客様もいい店だと感じるのではないでしょうか」
