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坪月商60万円超え連発の『はんさむ』。蕎麦居酒屋なら「必ず勝てる」の根拠

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写真手前から時計回りに、「はんさむポテトサラダ」(680円)、「あ巻き玉子」(1,280円)、「かんぱち炭たたき」(980円)、「蕎麦味噌焼き」(480円)

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蕎麦居酒屋の定番を一捻りした料理で蕎麦前の品揃えを拡充

同じ下北沢エリアに店を構える創業店『はんさむ 下北沢』と新店舗『南口のはんさむ』のメニューを比較すると、その変化がよくわかる。蕎麦を除いたフードメニューについては、『はんさむ 下北沢』では本日のおすすめ10品、冷菜8品、温菜6品、焼き物22品、飯物3品の5カテゴリ計49品。一方、『南口のはんさむ』では旬10品、蕎麦前21品、串13品、野菜串4品、かすみ鴨4品、特選串3品、飯物3品の7カテゴリ計58品をラインアップしている。

本日のおすすめを月替りの旬カテゴリにスイッチして季節感を訴求。冷菜、温菜を蕎麦前カテゴリにまとめたが、ウナギではなく、アナゴを玉子で包んだ「あ巻き玉子」(1,280円)、しゃもじに塗りつけた蕎麦味噌を炙った「蕎麦味噌焼き」(480円)など、蕎麦居酒屋の定番メニューを一捻りした料理によってその品揃えを拡充している。

串焼きの名物メニューは茨城県産かすみ鴨を用いた串焼きが名物メニュー。写真は左から「もも肉の鴨ねぎま串」(480円)、「鴨せせり」(480円)、「レバーハツ串」(400円)

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蕎麦前カテゴリの売れ筋は「はんさむポテトサラダ」(680円)。これは里芋、温泉玉子の天ぷら、シャドークイーンの素揚げの三層仕立てになっているポテトサラダで、『裏渋谷店』で初投入されたメニューだ。

このように既存3店の売れ筋を『南口のはんさむ』のメニューに組み入れる一方、『南口のはんさむ』で評判だった商品を既存3店にも投入するなど、グループでメニューのブラッシュアップを重ねている。

「満腹で蕎麦を食べられない」を回避するカスタマイズ蕎麦

一方、『南口のはんさむ』の蕎麦は『裏渋谷店』から、サイズ、つゆ、具材の種類を選択するカスタマイズスタイルを導入している。

上段がカスタマイズ蕎麦のメニュー表。その他に858~1518円の価格帯で冷たい蕎麦5品、温かい蕎麦5品を用意している

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蕎麦を「〆蕎麦(約半人前)」(473円)、「せいろ蕎麦」(682円)など5つのサイズから、つゆを「くるみだれ」(220円)、「カレーつゆ」(495円)など5種から、具材を「温玉天ぷら」(165円)、「白海老のかき揚げ」(638円)など8種からチョイスし、注文できる仕組みだ。こうしたカスタマイズ制導入の狙いを、岡崎社長はこう説明する。

「蕎麦前酒場ですから、締めに蕎麦をぜひ食べていただきたい。でも、蕎麦を食べることを前提にしてつまみの注文を控えめにしたり、つまみを食べ過ぎて蕎麦にたどり着けないというのは蕎麦居酒屋あるあるです。カスタマイズ蕎麦は半人前サイズの『〆蕎麦』に、110円の『そばつゆ』と無料の『天カス』を組み合わせれば、満腹時でも食べられますし、価格も583円に抑えられますから、蕎麦居酒屋を使い慣れていないお客様でもきちんと『蕎麦で締める』ことができるわけです」

写真手前右が「〆蕎麦(約半人前)」(473円)、「せいろ蕎麦(一人前)」(682円)。右奥が「カレーつゆ」(495円)、「くるみだれ」(220円)、「そばつゆ」(110円)、左奥が「天ぷら五種盛り」(638円)

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。