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広尾のネパール料理『MOMO Stand TOKYO』、オープン1年で月商2倍を達成した戦略

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左がオーナーの斎藤幸太氏、右がシェフのギリシリ・ラム氏

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2023年8月に東京・広尾でオープンし、早くも人気店となったネパール餃子“モモ”の専門店『MOMO Stand TOKYO』。同店が掲げるコンセプトは、「ネパール餃子モモとソムリエ厳選ワインを楽しむ空間」と唯一無二。オーナーの齋藤幸太氏にコンセプト設計の背景や店づくりへのこだわり、開店後の試行錯誤を伺った。

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ラムさんとサロズさんを尊敬していると話す齋藤氏

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きっかけはネパール人シェフとの出会い。モモを食べた時に可能性を感じた

高校時代に漫画『華麗なる食卓』を読み、飲食店オーナーを志したという齋藤氏。調理師専門学校を卒業した後は、オーセンティックバーやファインダイニング、銀座の鉄板焼き店などで経験を積み、直近は西麻布『Azur et MASA UEKI』で支配人兼ソムリエとして活躍。2023年8月に独立を果たす。

フレンチの名店で研鑽してきた齋藤氏が、ネパール料理、中でもモモを主軸にコンセプトを設計した背景には、ネパール出身のシェフであるギリシリ・ラム氏と商品開発のアリャル・サロズ氏との出会いがあった。

「前職で彼らと出会い、同い年とあってすぐに意気投合しました。サロズさんにふるまってもらったモモを食べた時に、その可能性を感じたんです。モモという単一商品に絞って、いろんなバリュエーションを持たせたら面白いんじゃないかと。モモはスパイスが効いて、ソースが特徴的。香り高い味わいなので、ワインとも合わせやすいと考えました。“モモ”という覚えやすいネーミングと、その可愛らしいフォルムも決め手の一つでしたね」

単一商品にこだわり、コンセプトを明確にしたいと考えた齋藤氏。ネパールの文化や人の良さを広めたいという思いにも後押しされ、「これだ!」と思い切って開業に至った。その構想は見事に花開き、オープンから1年で月商を2倍に伸ばすほど急成長している。

日本各地のネパール料理店を視察し、他とは一線を画す独自のコンセプトを考案

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内装、音楽、照明、接客。席数が限られているからこそ、こだわり抜いた店づくり

一流レストラン出身のネパール人シェフとソムリエがタッグを組んで誕生した、モモとワインのペアリングが楽しめるユニークなお店。そのコンセプトを体現するために、店舗づくりにもこだわりが見られる。

エスニックなイメージが強いネパール料理だが、『MOMO Stand TOKYO』の店内は洗練された空間。齋藤氏は「非現実感のある空間」を目指したという。

内装は、東急歌舞伎町タワーの「EXSTION(エクジション)」といったラグジュアリー空間を数多く監修してきたデザイナー・木原将貴氏が設計。カウンターにはさまざまなスパイスが並び、カウンター奥の棚にはネパールらしさを感じる食器の数々。従業員は、ネパールの伝統的な織物であるダカを使用したユニフォームを纏い、随所にオリエンタルな要素が散りばめられている。

こだわりは店内BGMにも。店内では世界の音楽シーンで活躍するDJ LAVA氏が店の雰囲気に合わせて作ったオリジナルBGMを流している。そのレパートリーは50通り。時間帯やお客によって曲を使い分け、時には音量を上げたりアップテンポにしたりすることで、ノリがあって心地よい空間を創り出す。

極めつけは、ホスピタリティだ。7.5坪というコンパクトな店内には、寿司料理店だった名残りが残るカウンターに10席が並ぶ。席数が限られているからこそ、「エレガントでフレンドリーな接客」でお客を温かくもてなす。

「モモの特徴を丁寧に説明することはもちろん、ネパールの文化を伝えることで、料理をより楽しんでもらえるよう意識しています。また、お客様一人ひとりに合った接客を大切にしているので、ありがたいことにリピーターが多いですね」

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吉田真琴

ライター: 吉田真琴

大手通信会社で法人営業・企画として勤務したのちに、フリーランスライターとして独立。食べることが大好きなことから、日々おいしいご飯屋さんを探すのに奔走している。執筆ジャンルは、グルメ・ビジネス・エンタメなど。書くことを通じて豊かな生き方を模索中。